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第254話:時効 ページ18

あわわわわわわ。
思い出した…………


あった……そんな約束……



い、いや!あれは付き合う前に無理やり決められたルールだったはず。あの時とは関係も変わったのだし、時効と言っても差し支えないのでは?


「時効?破棄した覚えは無いけど。

それに、ルールとしてはむしろ付き合ってからこそ心掛けるべき内容じゃないのかな。
恋人がいるなら尚更、異性からの不自然な接触は警戒するべきでは?」


ぐうの音も出ない。
この人に口論で勝とうなんて逆立ちしたってできっこない。


「僕は何もルールを課してAの行動を縛りたい訳じゃない。
僕が嫌なのはそう、今回の件で言えばーーーー仲間内での賭けに託けてAに下心をもって触ろうとする男がいるかもしれないこと。そしてその可能性にAがまるっきり無頓着なことだ」


「へ……下心…??」


なんだか急に話の展開が変わってしまったような気がして、首を傾げた。


「その反応が全てだ」


彼が形のいい眉をぴくりとほんの少し歪め、軽くため息を付きながら再び口を開く。


「いいか。
前にも言ったけど、お前にその気がなくても男は下心を持って寄ってくる。

Aが思っている以上にお前は人目を引く。そのくせ妙に付け入れそうな隙がある。

それはお前にそういう自覚が無いからだ」


「そんなこと、だって……私、もともと目立つ方じゃないですし……今回の件だって別に、あの人たちは私に下心?があって近付いて来た訳じゃ、」


大人しそうに見られるというか舐められやすい自覚はあるけど、今回たまたま男子が主犯だったってだけで、下心は関係ないように思ってしまう。

赤司さんの言いたいことは分かったけど、それは恋人だからという贔屓目では?というのが正直な感想だ。


私の反応を具に観察しているであろう赤司さんからの視線が居心地悪く、目を逸らして椅子のキャスターをコロコロ転がす。

だから、赤司さんが両手を机につき静かに立ち上がったことに反応するのが一瞬遅れた。

何を思ったか彼は突然、両手に力をいれ。




「……えっ?








きゃあーーーーーーーー!?!?





何してるんですか!?!?」




「大声を出すな」




簡易机の上に飛び乗ったのだった!
なんで!?

びっくりして床を蹴ってしまい、キャスター付きの椅子が背中側に思い切り動く。

赤司さんは当然上靴は履いたまま、まるでそこに道があるとでも言うように、そのまま普通に横向きに並んだ机の上を堂々と闊歩して。

第255話:プレッシャー→←第253話:約束



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白虎 - 赤司くんはやっぱりカッコイイですね〜 (7月21日 10時) (レス) id: eab1ac402f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae | 作成日時:2022年4月19日 19時

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