弐拾参 ページ25
次の日。
泣き疲れて気絶したらしい私は、目が覚めるといつの間にか布団の中で朝を迎えていた。
恥ずかしい。人前で泣いたのは結構久しぶりだった。しかもそのまま寝るとか…。うっ。
朝から恥ずかしさのあまり悶絶した。
そして用意された朝ご飯を頂き、私は正座する。
『鱗滝さんに相談したいことが』
「うむ。言ってみなさい」
私は今までほんの少し水の呼吸に違和感を持っていたこと。そして最終選別中、教わっていない呼吸法を咄嗟にしたことを話す。
「やはりそうか」
『やはり、ですか?』
「基本の呼吸の中でお前が向いているのは水の呼吸だ。しかし、お前の力を最大限に引き出せるかは別だと感じていた」
水の呼吸では、力を最大限に引き出せないということだろうか。
「A」
『はい』
「お前はその呼吸を使ってみてどう感じた」
『どう、ですか…』
どう感じたか…。
呼吸を使った時を思い出す。
怒りでいっぱいだったのに、どこか頭は冷静で。
『まるで、夜の静けさのような、呼吸だったと思います』
「…夜か」
『はい』
あの呼吸を使っている間は冷静で、心地よくて、落ち着いていられた。
どこか水の呼吸に似ていたような気もするけど、それよりもピタッと私にハマったと思う。
そう伝えれば、鱗滝さんは頷く。
「夜だと思ったのなら、それはきっと夜の呼吸だ。少しずつ自分に合った技も編み出しなさい」
『はい!』
うん、鱗滝さんに相談してスッキリしたかも。
編み出す、かぁ。水の呼吸から派生したってことでいいのかな。
まずは刀が届くまで、“夜の呼吸”も練習しておこう。
そうして10日が経ち。
「抜け」
『は、はい』
鋼塚さんが日輪刀を届けてくれた。
渡すなり抜けはビビる。原作知識があったから対応できたけど。
お茶出さなくていいのかな?と思って聞くけど「抜け」しか言わん。腕をうねうねさせて楽しみにしてる感MAX。
渡された日輪刀は私専用だと考えると嬉しい。丁寧に扱おう…。
そう思って眺めていると、「早く抜け」とまた急かされる。
少し慌てて、鞘を抜いた。
「おおおおぉぉぉ!!」
『おぉ…』
「これはまた、珍しい…」
刀は本当に色を変えた。
漆黒、藍色、桔梗色と段階的に変化している。先の方は赤みがかっていて。
『夜みたいだ…』
日が落ちた後から夜明けまでを表現しているようで美しい。
…いよいよ私夜の呼吸使いなんじゃ。
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蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - 5262さん» コメントありがとうございます!励みになります! (2020年12月17日 11時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
5262(プロフ) - 初めましてコメント失礼致します。続きが楽しみです!大変だと思いますが更新頑張ってください、応援してます (2020年12月15日 17時) (レス) id: e1b40e07f2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - コメントありがとうございます!夜はいいですよね! (2020年12月7日 23時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - 夜が好きッ!?私と同じだ… (2020年12月7日 17時) (レス) id: 5a04a92c31 (このIDを非表示/違反報告)
蒼の戦姫ナキサ(プロフ) - yersk0402さん» ありがとうございます!!煉獄さんに会いたいですよね!!更新頑張ります! (2020年12月6日 20時) (レス) id: 9d3d6315a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナキサ | 作成日時:2020年11月28日 20時