12話『隠した涙』(下) ページ48
扉を開けたのはコハクだった。
コハク「あの、こんな時間にすみません…」
リト「こんな時間?22:00だから別に大丈夫だよ笑何かあった?」
コハク「聞きたいことがあるんです」
リトは何だろう、と少し期待がこもった目でコハクを見ていた。
コハク「…私たちに何か隠していることはないですか??」
リト「…えっ」
期待の目から突然、不安の目に変わった。その表情もコハクは見逃さなかった。
コハク「絶対言えていない事がありますよね??」
リト「…ど、どうしてそれだと考えたの?」
コハク「こっちを振り返った時の貴方の目です。しばらく経ってから来たんだと分かりましたが、微かに目が赤くなっていました」
リト「うわっ、目がいいな…笑だいぶ収まったと思ったんだけどな」
リトは苦笑した。
コハク「そんなに隠さなきゃいけないことなんですか?信頼できるメンバーだから言えることではないんですか?」
リト「コハクちゃん」
リトの名前を呼ぶ声が今まで聞いた声の中で1番低く、怒りを帯びているように感じたコハクは強ばった。
リト「…信頼してるからこそ言えないことってあると思うんだ」
コハク「……ここまで言って、言えないような大事なことなんですか…?」
リト「…察してよ」
コハク「っ…!」
コハクはお詫びを言って、すぐさまリトの部屋を後にした。
リト「…言いすぎたかな…それは反省」
またリトはパソコンを開いてカタカタと静かに打ち込んでいた。
一方、コハクは自分の部屋に戻った後ベッドに座り込んだ。
コハク「…『信頼してるからこそ言えないこと』ですか……」
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時