６０話 ページ21
全身を真っ黒に包みこんだ人達が群がる……そんな場所に一際目立つ白……それも何人もである。
その白い服は青葉城西高校の生徒ということを強調するものだった
衝撃の一言があった今日の朝から打って変わって夜……皆、白い棺桶の前に立つ、そしてその場で泣き崩れた
どうしてなんだ。何で死ななきゃいけなかったのか……棺桶の前に行くと皆、そう言った
愛されていたんだな……と
けれども……
『……』
何も感じない、声が入ってこない
「なんで……っ」
「瀬良ちゃん……っ！」
「なんで“死んだ”んだよ……！」
『……っ！』
瀬良が死んだ。俺を庇って……
「国見」
『！……』
キィィィと甲高くうるさいブレーキ音
ドンッと押される自身の体
放り出される俺の体とは別に今俺の居た場所には瀬良
そして俺の方を見て安心そうに今までの中で1番穏やかそうに笑ったあいつの顔……
そして
顔を背けたくなるような、現実を見たくない、そう思わせる。グシャ……身体中の骨が折れるような音……宙に舞う瀬良、視界が真っ赤に染まった
俺の身体に付着する生暖かい液体。赤く、さっきまで生きていたということを感じさせるもの
そして周りの野次馬が集まってきてからやっと気づく
『瀬良……』
瀬良が死んだという現実に
『うっ……』
「国見大丈夫か……」
吐きそうになる俺を心配する金田一、金田一の目は赤く腫れていて、今も涙が溜まっている
『俺が……っ』
俺が“殺した”
「国見のせいじゃない」
そう言ってくれるがどう考えても俺のせいと考えてしまう。あの時俺が死んでいたら……と
悲しみと苦しみ、そして絶望とが押し寄せ、俺を苦しめる。自分が悪いと疑心暗鬼に陥る
『なぁ……金田一、本当は俺が……「馬鹿なこと言うなよ！！」痛っ……』
叩かれる頬、叩いたのは及川さんだった
『及川さん……』
「瀬良ちゃんがなんで庇ったと思う？」
瀬良が俺を庇った理由……？
そんなこと今の俺には考える事も出来なかった。ただただ、後悔が頭を支配していたからだ
「国見ちゃんに生きてほしかったからだよ！国見ちゃんが大切だからなんだよ！！」
大声で怒鳴る及川さん
その声は聞く耳を持たなかった俺の耳にもしっかりと響いた
『っ……』
頭に流れてくるのは瀬良のこと
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無気力boy(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉感謝しかないです(´ｰ｀) (2020年6月28日 22時) (
レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 不思議涙余韻に浸ってました。とても感動しました (2020年6月27日 22時) (レス) id: 34d527f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mそう言っていただけるとすごく嬉しく励みになります……！最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年4月1日 13時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - 凄くいいお話でした。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 269ec57400 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - カメックスさん» コメントありがとうございます。表情につきましては潰される直前なのですが、こればかりは僕の文才力の無さですね……ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後の参考になります。最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年1月13日 5時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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