56話 ページ17
マネージャーさん達の輪から1度離れ、飲み物を取りに向かう
『!』
首筋に冷たい感触
『黒尾さん……』
「捜し物はこれですか?」
黒尾さんから飲み物を受け取り、紙コップに入れる。そして喉に通す。ゴクッという音が鳴り潤った感覚がした
『は……黒尾さんは皆さんの所に行かなくていいんですか』
黒尾さんは飲み物を渡したあとも、その場から離れなかった
「ん?あーいいのいいの、今は瀬良ちゃんと話したいからさ」
『なんですかそれ』
「相変わらず辛辣」
話したって何を話したいんだ
「瀬良ちゃん覚えてる?」
『?』
「合宿に参加した日、見送りした時のこと」
『覚えてますよ……黒尾さんが趣味悪いって話ですよね』
「いや、そうなんだけどさ……瀬良ちゃん言ってたじゃん」
『?』
「「好き」ってなんなんでしょうって」
『確かに言いましたね』
そう「好き」とはなんなのか
「好きっつーのはさ、なんか心惹かれるなとか、そういうのじゃねーのかなって」
『心惹かれる……黒尾さんわざわざ考えてくれたんですか』
「ん?瀬良ちゃん困ってるみたいだったし、そういうやつほっとけないからな」
『じゃあ、好きの違いって分かりますか?』
せっかくなので黒尾さんに聞く。わざわざ考えてくれて、それにやっぱり3年生だからか大人っぽい、お兄さんという感じだ
「好きの違いね……」
『分からないんです。同じ好きなのに、どうして違うのか』
「どれどれ?黒尾さんに言ってみ?」
『家族としての好きとは』
「んー、大切にしたいとかじゃねーのかな。親だしさ、今まで育ててきてくれた感謝の気持ちが強いんじゃねーのかな」
『感謝……』
スっと入ってきた言葉。しっくり来た。私の姉さんに対する気持ちは感謝の気持ちだ。こんな私を引き取ってくれて、可愛げのない私をここまで育ててきてくれた
『友達としての好き』
「一緒に居て楽しいとか、もっと仲良くなりたいとかかなー俺は」
『もっと仲良くなりたい……』
やっちゃんと居た時もクラスの子と話してる時も楽しかった。この合宿に参加して日向とリエーフ、研磨さんと仲良くなったけど、もっと仲良くなりたい……これが友達としての好き
『仲間としての好き』
「同じ目標持って、こいつらと一緒に成し遂げたい!とか、まぁ今のバレー部のヤツらはそうだな」
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無気力boy(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉感謝しかないです(´ー`) (2020年6月28日 22時) (レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 不思議涙余韻に浸ってました。とても感動しました (2020年6月27日 22時) (レス) id: 34d527f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mそう言っていただけるとすごく嬉しく励みになります……!最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年4月1日 13時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - 凄くいいお話でした。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 269ec57400 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - カメックスさん» コメントありがとうございます。表情につきましては潰される直前なのですが、こればかりは僕の文才力の無さですね……ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後の参考になります。最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年1月13日 5時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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