53話 ページ14
「瀬良ちゃんはさー」
『?』
「彼氏とかいないの?」
『居ないですよ。そういう黒尾さんはどうなんですか』
「いやー、俺イケメンだからさ、うん」
『居ないんですね』
「そんな、どストレートに言わなくても」
『黒尾さんに彼女なんて想像つかないです』
「おい!……でも瀬良ちゃん美人だし居そうだと思ったんだけどな」
『無愛想なので』
「確かに」
そう、私は無愛想である。そもそも人と話すことがなかったから彼氏なんて1度もできた事がない
「好きな人とかは?」
『黒尾さん女子ですか』
「人の恋バナって楽しいじゃん」
『趣味悪……』
「聞こえてますよー」
好きな人……ね
そもそも好きってなんなんだろうか
『好きってなんなんでしょう』
「え、哲学?」
それから黒尾さんに見送られ、家へと帰った。帰ったあとも頭を埋めつくしていたのは「好き」という単語
友達としての「好き」仲間なとしての「好き」家族としての「好き」尊敬の意味での「好き」好物の「好き」人としての「好き」
『恋愛としての「好き」……』
どの「好き」も違いがあるのか?
どれも同じように思える。「好き」って言葉にそれ以上も以下もない、思いに違いがあるのか?
『よく分からないな……』
結局出てきた答えは分からない
私には好きの違いが分からなかった
『(誰かに聞けば分かるかな)』
またいつか聞いてみよう……
……
それから私は朝から遅くまで合宿に参加し、終わる頃には帰るを繰り返していた。合宿にも慣れ始め、他のマネージャーさんや他校の選手とも仲良くなっていた
楽しかったな……いい思い出になった
そんな合宿も今日で最終日
私も今日の合宿が終われば、向こうに帰る
「フライング1周!!」
『……』
烏野はずっと負けっぱなしで、ペナルティーを受けている
「ペナルティーを熟す姿に異様な貫禄……」
苦笑いをしながら言う黒尾さん
「前回の遠征も含めて、他の何倍もペナルティーやってるからね……俺絶対無理」
『(確かに異様な貫禄……)』
それはいいものなのか?
「おっ!?烏野のチビちゃんがめっちゃフライング上手くなってる!」
烏野の10番の子……日向、日向とも仲良くなった。日向のコミュニケーション能力はすごく、初めて合宿に参加したその日に話しかけてくれた
「瀬良さん!」
『……?』
「スイカ下さい!」
『あ、うん』
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無気力boy(プロフ) - ユリさん» コメントありがとうございます。とても嬉しいお言葉感謝しかないです(´ー`) (2020年6月28日 22時) (レス) id: aded513bd5 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 不思議涙余韻に浸ってました。とても感動しました (2020年6月27日 22時) (レス) id: 34d527f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - マッキーさん» コメントありがとうございますm(*_ _)mそう言っていただけるとすごく嬉しく励みになります……!最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年4月1日 13時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
マッキー - 凄くいいお話でした。 (2019年4月1日 11時) (レス) id: 269ec57400 (このIDを非表示/違反報告)
無気力boy(プロフ) - カメックスさん» コメントありがとうございます。表情につきましては潰される直前なのですが、こればかりは僕の文才力の無さですね……ご指摘ありがとうございますm(*_ _)m今後の参考になります。最後まで読んでいただきありがとうございました (2019年1月13日 5時) (レス) id: 947057a2b9 (このIDを非表示/違反報告)
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