40 騎士道ユニット ページ40
後ろを向くとたくさんの人がいる。
ドキドキしてきた。
まず出てきたのはKnights。
凛月兄、瀬名先輩、嵐ちゃん…そして初めて見る男の子。
王様の姿はない。やっぱりいないんだ。
「すごい盛り上がりだよね、Aちゃん」
『そうですね』
曲が流れ始めた。生歌だ。みんなすごく楽しそう。キラキラしてる。
『…あ』
凛月兄と目が合った。ウインクと投げキッスのファンサ。きゃぁぁぁぁという歓声が聞こえる。
「A、Aっ！！今凛月が…！！！」
『うん…！』
朝だからかしんどそうだった母。でも良かった。すごく元気だ。よく顔は見えないけどお父さんも楽しそう。
曲が終わった。あっという間だった。講堂は拍手、歓声に包まれる。ずっとフワフワしてる。余韻がすごい。
「皆さんこんにちは〜Knightsで〜す♪今日は俺達のライブに来てくれてありがとうね〜」
話し始めたのは凛月兄。なぜかメンバーが驚いている。観客もザワザワしている。
「凛月ちゃん、今日はいつもよりやる気満々よね〜」
「やる気なのは良い事ですね」
「くまくんが仕切るなんて珍しいこともあるんだね〜」
Knightsのメンバーが口々に話し始める。
「今日は俺にとって特別なお客さんが来てきてくれてるからね〜♪」
「特別なCustomer…ですか？」
私たちの方を向いた凛月兄。ニッコリ微笑む。私も思わず笑ってみせた。
「さぁて、今いい事あったしもう一曲歌おうかな〜？」
そう凛月兄が話したその時。
「それは少し困るのう…？」
この声は零兄だ。歓声が大きくなる。
零兄の声を合図にステージが暗くなりモニターには『UNDEAD』の文字が映し出された。
紫のライトに照らされたステージ。
「おらおらおらっ！！」
「…大神、少し落ち着け」
「朔間さん、いつにも増してやる気満々だよね〜」
出てきたのはUNDEADのメンバーだ。大神先輩、乙狩先輩、羽風先輩、最後に零兄。
講堂の空気はUNDEADによって変えられた。
「さすが、三奇人朔間零が率いるユニット…UNDEADだね」
天祥院英智がそう呟く。
「うわ、兄者」
「凛月、我輩たちを差し置いてもう一曲は酷いの？」
「ほら、くまくん行くよ」
「はーい…♪」
その瞬間、凛月兄が零兄に向けて何かを口パクで伝えたように見えた。
零兄は気づいていない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 219人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
