33 私と皇帝 ページ33
「さて、創くんが帰ってしまったね」
『…そうですね』
たくさん話を聞いて、ケーキを食べて、美味しい紅茶も飲んだ。用は済んだし早く帰りたい。
「君は随分僕のことを嫌っているみたいだね」
『…』
やっぱり気づいてた。気づいているのに話しかけてくるあたりメンタルが強いと思われる。
「その言葉遣いも大変だろうし普通に話してくれて構わないよ」
『別に…大変じゃないですよ。私の中ではこれが
普通なので』
変な気遣いはいらない。余計なお世話だ。
仕方が無いのでほほ笑みかける。彼には通用しないだろうけど。
「…またその笑顔か。君はいつまで周りの人を騙し続ける」
『…随分冷たい言葉をかけるんですね。天祥院先輩』
本当、そういう所だと思う。
長い沈黙が続く。この空気は嫌いだ。風が冷たく感じる。
『…』
私を見る彼の目はいつも悲しそうだ。今もそう。何故そんな目で私を見るのか。
「…君はどうしてキャラを作ってるんだい？」
『あなたには…関係ないでしょ』
「それは失礼。つまり…なにか理由があるんだね」
言葉が出ない。言い返せない。思わず下を向く。
あなたが私の何を知っているの。
彼といるといつもイライラさせられる。
『ごめんなさい、そろそろ帰らせていただきますね。…朝のことはちゃんと明日、お話しますので』
「それは残念。もう少しお話したかったよ」
『では天祥院先輩、失礼しますね。』
もう少しお話したかった、なんて気味が悪い。
やっぱり私は天祥院英智が苦手だ。
「またね、Aちゃん…♪」
『ええ、また。』
会釈をしてその場を去る。
彼の悲しそうな目は消え、いつもの感じに戻っていた…気がする。
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冬乃(プロフ) - よっ！ (2018年8月30日 18時) (
レス) id: db15aabe3a (このIDを非表示/違反報告)
雨音(プロフ) - 面白い作品で好きです！あと、12話で英智さんのあだ名がエッちゃんじゃなくてセッちゃんになってますよ? (2018年8月19日 21時) (レス) id: 23ae3ada38 (このIDを非表示/違反報告)
リーリエ - とっても面白いです！続き楽しみにしてます♪ (2018年8月15日 17時) (レス) id: e54f7d496b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごあめ | 作成日時：2018年8月2日 0時
