【歌い手】推しに仕事依頼もらうなんて聞いてないんだが。【まふまふ】

依頼15 ページ17

僕は今、駅前のカフェに向かっている


あそこは夜桃さんと初めて出会った場所


今日もまた彼女に会えると思うと心が躍るように軽くなる


僕は彼女のことが好きだ。


このことを知ったのはつい最近。


彼女と出会ってすぐだったかも知れない。


俗に言う一目惚れ、ってやつ。


男性がやってくるって思ってたのに


女性がやってきて驚いた吊り橋効果もあるのかもしれない


でも、脳の錯覚だったとしても


僕は彼女に一瞬で惚れた。


何をするにも丁寧で


仕事熱心で


何よりマスクをつけていてもわかる可愛さ


外見で判断してるわけじゃない


内面も外見も完璧なんだ


これは僕の思い込みかもしれない


でもそれはそれで結構。


僕はこれまでこんなにも好きになった人はいない


27年間生きてきて、だ。


そんな僕の非リア充生活を変えられるのであれば


周りの意見なんてどうでも良い


でも、僕はこの気持ちを彼女に打ち明けることはないだろう


理由は簡単


彼女に迷惑だからだ


この気持ちを伝えたとて彼女の僕を見る目は変わらないだろう


なぜなら彼女は僕のリスナーであり、僕を推してくれている


彼女の好きと僕の好きは違う


既にある好きを全く違う意味の好きに変えることが


どれだけ大変なことか


彼女を困らせるくらいなら


僕は何だって我慢しようじゃないか


彼女の幸せが僕の幸せなのだから


「依存しすぎかな、、引かれちゃうなぁ、きっと」


でもこんな短期間で僕の事を


虜にさせた彼女にも多少の罪はあるだろう。


そんな事も知らずに君は生きてきたんだろうな


これまで何人の男を虜にさせてきたのだろう


あのそらるさんまでも虜にさせてたのだから。


今の僕と彼女の関係性は仕事仲間で止まっている


せめて、せめて友達くらいにはなって良いよね


それくらいの贅沢はさせておくれ


男女の間に友情はあり得るのかなんて


僕は知りもしないけれど。

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