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どうしようもない敗北に・2 ページ14

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影山飛雄と私はいとこである。私の母の姉が、飛雄のお母さん。飛雄と私は一コ違いで、私が高校二年生、飛雄は高校一年生。

家が近所だったから、自動的に小・中は同じ学校だった。もともとそうなる前から一緒に遊んでいたこともあったし、割と仲良くしていた――と思う。

やることはもっぱらバレーだったけれど。私の兄も動員して。

だから、……そんなだったから、


「てっきり私は飛雄も青城来ると思ってたんだよ!?」

「だからA声でけえよ!!」

「て言うかなんで今ここにいるの!?」

「だからちょっ、」


彼は私の頭を抑えて無理矢理しゃがませた。ついでに口も塞がれたので「ふごふご」声が出ない。あれこいつこんなに大きかったっけ、なんて思っていたら頭上から声が聞こえた。


「誰か喋った?」

「気のせいじゃね」


そういえば説明するのを忘れていたけど、今私達がいるのは第3体育館の裏。今は男子バレー部が活動中だ。

……そっか、と腑に落ちた。

私は自然とここに足を向けていて、そうして飛雄を見つけたんだった。


「……結局どうしてここにいるの」

「……予選始まる前に、一回だけどうしても見ておきたくて」

「何をさ」

「青葉城西」


バレー部を、と続けた飛雄の声を聞いて、ふとどうしようもない寂しさが募った。


飛雄は当たり前のように青城に来ると思っていた。私はただこの学校が気に入ったから進学したんだけど、だって北川第一中のバレー部はだいたいこの学校に来るから。

でも、烏野高校なんて名前しか聞いたことのない学校に行った、とお母さんから聞いた時に。……ただの私のワガママだ。なんで、と思ってしまった。


飛雄の言う「青葉城西バレー部」は、私達が同じ学校の強い部活として呼ぶ「青葉城西バレー部」じゃなかった。相手。ライバル。


そんな些細なことが、それを感じる私自身が、ひどく寂しかった。

どうしようもない敗北に・3→←【影山飛雄】どうしようもない敗北に・1



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作品ジャンル:アニメ
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スマトラ島のラフレシア(プロフ) - ★マチャキ★さん» 好きだったらだいたい書いてますよー。 (2016年7月20日 19時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
★マチャキ★ - 照ちゃんあった!! (2016年7月19日 20時) (レス) id: a549331ee4 (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» そしてお察しの通り、及川さん大好きです。色々書きたくなるので、最初と最後に入れてるだけなんですけどね。前作も前々作も読んでくださってありがとうございます!更新頑張ります!! (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
スマトラ島のラフレシア(プロフ) - 彗華@京都へ行きたい (元:凰華)さん» コメントありがとうございます!とんでもない、長文コメント最高に嬉しいです…!!私も実は「この続き書きたいなぁ」なんて毎回思ってまして、うーん……したい、ですねぇ……(笑) (2016年4月18日 18時) (レス) id: db820b405d (このIDを非表示/違反報告)
彗華@京都へ行きたい (元:凰華)(プロフ) - 前作、前々作を見て思ったのですが【及川さんで始まり及川さんで終わる】というループみたいなものが出来ているように感じました。作者様は及川さんが好きなのでしょうか?更新頑張ってください。応援しています!(長くなってしまいすみません) (2016年4月17日 22時) (レス) id: 4e64820097 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スマトラ島のラフレシア | 作成日時:2016年4月14日 18時

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