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EP4.両面宿儺〈1〉 ページ32

No.side

誰もが眠りに落ちている真夜中。歌代はゆったりと空を飛び、ある場所へと向かっていた。


彼女は目的の場所、学校に着くと異様な空気を発している校舎を見つめた。陰からヒソヒソと自分の様子を見ているこの世のものではないもの達は、こちらに襲いかかってくる様子などは感じられなかった。


気にすることなく校舎の裏へと回って行き、目の前にある百葉箱を開くと「あら、大変ね」と呟き驚いた顔をした。


何度も扉を開け閉めしてみるも、中の様子は全く変わることはなく、その度に彼女は「うーん…」と唸っている。


彼女がそんな事をしていると、突然後ろに現れた何者かが背後に近付き、彼女の視界を塞いだ。


「はい!問題です!僕は誰でしょーか!!」


明るく元気な声で発言する人物は男性のようで、彼女からの言葉を楽しみにしているようだ。歌代は慌てる事なく、自分の視界を塞いでいる手を掴むと、「その声は〜…」と言いながら後ろを振り返った。


「悟ね〜?びっくりしたわ〜、今日会うのは初めてね〜」


とても驚いているとは思えないような穏やかな声に、男性は「ちぇっ、ちょっとは驚いてよ〜」と残念そうに口を尖らせる。


男性の名は五条悟。歌代の後輩でもある、最強と呼ばれている男だ。


その様子を見て歌代はクスクスと笑いながら「ごめんなさいね〜」と自分よりもずっと背の高い拗ねている五条の頭を撫でた。


「へへっ、やっほ!(なまえ)!いやー、なんか大変なことになってるっぽいね〜」


五条はそう言いながら校舎の方を見る。五条の登場に驚いたのか、先程からチラチラとこちらを見ていた呪霊達は姿を消したように見えた。


「そうね〜…ちょっと来るのが遅かったかしら?校舎の屋上に彼らいるようだけど」


歌代と五条の位置からは屋上の様子を確認する事は出来ない。しかし、彼らにはその雰囲気と状況から、この学校で何かが起きているということがはっきりと分かっていた。


「恵から聞いたんだけど百葉箱の中から呪物無くなってるっぽいんだよね〜。まっ、ある場所なんとなく分かるけど…」


五条はそう言い、歌代の手をしっかりと握った。彼女をそのまま抱き寄せると、2人は一瞬でその場から姿を消した。

EP4.両面宿儺〈2〉→←EP3.写真の中の思い出〈7〉



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唄海(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラさん初めまして、コメントありがとうございます!オチは今のところまだ未定です。五条オチもいいですね!考えさせていただきますね。応援よろしくお願いいたします! (2022年7月31日 12時) (レス) id: 7262bd6081 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月24日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唄海 | 作成日時:2022年6月5日 18時

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