【派生作品】Er und Ich. / 彼と僕。

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「あ、、、えっと、と、友達?」

「うン、友達」


友達というワードをきいてから、うまく言葉が出てこない澪

それもそのはず、まさかそんなことを言われるなんて夢にも思っていなかったし、何よりも、[推しと友達になる]なんてことがあるとは想像もしていなかったのだから。

早く返事をしなければならないと思いながらも、ゲームをしているときのように頭は回ってくれない。



「(えっと、、、こういう時なんて言えばいいんだろ、、えっと、、えっと、、待て、こういう時こそ冷静に、、落ち着け、いつものように、よし)」
「じゃあ、お言葉に甘えて、これからはプライベートでもよろしくね。」

「よろしくネ!!澪」


ミヒャエルは澪と手を両手で包み込むようにして、握手をする。

これがいつも通りなのか、否か、澪にはわからない。
緊張のあまり、なにを言ったかすらも思い出せない状態。

一方ミヒャエルはというと握手した手を激しく上下に振って、なにやら喜んでいるように見える。
そのまま今度はジャンプし始めた。

澪のほうが身長が小さいため、とうとう腕だけにとどまらず髪までぐしゃぐしゃになってきた。


「いっっっった」

「ア!!!ご、、ごめン。」

「あ、いや、大丈夫で、、じゃなくて、大丈夫だよ。それよりも、あっちのゲームセンターに行きたいんだけど、、いいかな?」

「全然いいヨ!!でモ、行ったことないかモ、、」

「多分大丈夫、ゲームセンターの道だけは何となくわかるから。あそこなら単純で簡単なゲームも多いし、でも、上級者も楽しめるのもあったりするんだよ。やりこみ要素も結構あったりするんだよ。でも、昔からあるところだから意外と穴場で、いいところなんだよ。って、ごめん、僕ばっかり話しちゃって、、、」

「すごいネ!!休日にも行ったりするノ?」

「ま、、まあ、ここら辺のゲーム関係のお店の位置は把握してるから。」


普段よりも口数が多くて口内が乾いていくのがわかる。
でも、不思議と悪い気がしないのは今一緒にいるのが友達だから。

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