伍ノ章ー兄というもの ページ12
「え、なんで先生、その人がお兄ちゃんって思ったの?」
東京に似合わない蝉の声が、開け放たれた窓から夏を告げている。
不躾にも教卓に腰掛けた五条は、興味に目を光らせている虎杖に、寂しそうな微笑みを向けた。
「悠仁だけだよ、僕の話を真面目に聞いてくれるのは…」
悠仁の隣に座る釘崎はその暑さに唸りを上げ、反対の隣に座る伏黒は盛大なため息をついている。
「あ”っづい!なんで東京はこんなに暑いわけ!?それになんでクーラーがついてないのよ!こちとら温度変化に弱い貴重な女子様だぞゴルァ!!」
再度、伏黒が大きなため息をついた。
「五条先生、授業はどうしたんですか。あんたの遅刻と怠惰のせいで授業が全然進んでなくて学長にドヤされてんの、俺知ってますからね?」
「悠仁ぃ〜、僕の教え子達が冷たい」
ちゃんと話を聞いてくれない〜と駆け寄ってくる五条に、先生も大概だかんね、と返す虎杖。
「そんで、なんで先生はその、A?さんがお兄ちゃんって分かったの?」
「んー、まあ、ひとつは呪力かな。さっきも言った通り、呪力は遺伝することがあるからさ」
諦めて教科書をしまっていた伏黒は、ふと、思い当たったように顔をあげた。
「でも、他人でも似ることがあるんですよね?そうでなくても従兄弟とか。呪力だけじゃ、自分の兄までとは判断出来ないんじゃないですか?」
「さすが恵!鋭いね」
伏黒がやっと興味をもってくれたことが嬉しいのか、五条の声は弾む。
「他にも、決定的な違いがあったんだ。ずばり──」
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砂漠 - エレナさん» ありがとうございます!そう言って頂けるととても励みになります(●︎´▽︎`●︎)これからも楽しみに思っていただけるよう頑張るので、ぜひ最後までお付き合いください、、、(_ _*)) (2022年4月2日 11時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
エレナ(プロフ) - この作品大好きです!続きが楽しみです! (2022年3月26日 21時) (レス) @page16 id: 806542db6b (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - お餅さん» まーたやりました。今日何回目ですか、私!!1個下のコメントはお餅さんへの返信です、、、失礼しました、、、お餅さん、コメントありがとうございました✨ (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、更新も頑張っていきたいと思います٩(ˊᗜˋ*)و最後までお兄ちゃんを応援してあげてください(_ _*)) (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠 - あいすくりぃむとちょこれぃとさん» いや、私もタイトルとの温度差は感じていたんですよね、、、ですが地獄を見たというお言葉に笑ってしまいました😆最高の褒め言葉ありがとうございます!お兄ちゃんには幸せになって欲しいですね、、、頑張ります🔥 (2022年1月1日 15時) (レス) id: c817577711 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:砂漠 | 作成日時:2021年12月11日 11時