スキップ ページ8
部活が終わり、家に帰ってきてAは一つ気づいた。
ノートを返してしまったら彼との接点が無くなってしまうことに。
しかしもうあのノートは無い。
がらんと空いた手元が虚しさを煽っていた。
……せめてもっと何か次に繋がるような会話をしておけば良かったと、今更になって後悔する。
また例のごとく体育座りで考えこむ。
どうしよう、話す機会が__
ない、と続けようとした。
そして更に表情を暗くしたがあるアイデアを思いついてむくりと顔をあげた。
あった……あるよ!図書室だ!
彼が本を借りに来たってことは返しにくるってことだから……絶対会える!
Aは今なら心がスキップしていると断言できると思った。
しばらく一人で笑っていたが、三十秒後におかしな行動だと気づき、表情筋を元に戻そうと頬をさすって我に返る。
こんなに赤葦さんのこと考えてるなんて気持ち悪いかな……
でも、気になるし、また会いたい。
再び頬が緩んできてAは先程と同じ行動をとった。
だが浮かれたAはあることを忘れていた。
「あ……宿題」
今日は彼女の苦手な教科でおびただしい量の宿題がでていたのだ。
おわらないかも、という考えがぼんやりと頭の中で浮かぶ。
スキップしていた心はとぼとぼと戻ってきたようだ。
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はるこん(プロフ) - 無気力なおバカさん» 恋愛と関係のないシーンなので入れるか迷っていたのですが、共感していただけてとても嬉しかったです!ペースは遅いですが、見捨てないで読んでいただければありがたいです笑 コメントありがとうございます! (2020年4月15日 19時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです!!『文化祭の陰』のところの最後の「女子というのは恐ろしい」ってところものすごく共感します!!それと、赤葦くんやはりイケメンですねぇぇ。夢主ちゃんの性格もかわいくて素敵!!これからも更新頑張って下さい!!!!!! (2020年4月15日 2時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - りんごあめさん» 一話書くのに時間がかかるタイプなので、内容を褒めていただけるのはとても嬉しいです!更新がんばります。 (2020年4月4日 10時) (レス) id: fde04c5d32 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ - 初めて見ました!赤葦さがちゃんと残っていて、更に内容まで凝ってるだなんて!凄い技術ですね!これからも更新頑張ってください!楽しみにして待っています! (2020年4月1日 23時) (レス) id: e7faacb67c (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - コメント嬉しいですーありがとうございます! (2020年3月27日 10時) (レス) id: fde04c5d32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるこん | 作成日時:2015年12月7日 22時