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22:まるで月明かり ページ22

「ねぇ、君…こんな所で何してんの?」

「…貴方こそ誰?ココは私のテリトリー…何しに来たの?」

「何しに来たのって…何か倒れてるから死体かなあーって思ったら倒れた学生だっただけ。それに甘い香りがした。」

「ふーん…そう言う貴方も子どもでしょ?」

「間違ってはないかな。」




何一つ眉を動かさない少女は、私の頬の血を見ても反応しなかった。



「血にビックリしないの?」

「しない…かな?見慣れてるから。」

「見慣れてる?不思議だね。」

「不思議?」




と小さく微笑む彼女が月に照らされて綺麗だった。何となく分かった。あ、好きになったなって…。



彼女は元々感情や表情が出ずらいらしい。ヘラヘラと何があってもへらりと笑うだけで、周りには気持ち悪がられて、実の親にも気味悪がれていたらしい。だからココに来ては1人になってるらしい。




「そんなことないと思うけどなあ…私は…時々見せる君の小さな微笑みや笑顔…綺麗だし可愛いと思うけどなあー。」

「そんなこと言ってくる人初めてだよ。」




暇つぶし…退屈な人生に色付いたかも…と言った彼女。死ぬまでの暇つぶし…それが生きるってことでしょ?と言った。



「じゃあ…君のそんな人生…私と過ごしてみない?退屈な…暇つぶし人生を変えてみないかい?」

「何それ…プロポーズみたい。」


くすりと笑う目の前の少女。


「それでもイイんじゃない?」

「貴方…私が好きなの?」

「うん、好きかも…一目惚れかなあ?」

「あはっ、面白いね貴方…じゃあ私のそんな人生変えてみてよ。」

「良いよ。」




綺麗な満月が私たちを照らした。出会って0日…ちょっとおかしな私の付き合い方。空白は色付くに時間はかからなかった。
彼女は学生を全うしたいと、ポートマフィアに入る条件を首領に言って、私のサポートくらいならしても良いと言った。家に帰ってもつまらないからと言って私と一緒に住むことに。



「両親は心配しないのかい?」

「しない。」

「そうなんだね。」




最初は眉一つピクリとも動かさない少女は、一緒に過ごすうちに、毎日ヘラヘラとしてへらりと笑うようにはなった。



「太宰くん私を見てくれて…見つけてくれてありがとう。」




あの頃と変わらない笑顔で私にそう言ったんだ。

23:君と見た綺麗な空→←21:何がどこか美しく見えたのか



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人生楽しんだもん勝ち - めちゃくちゃ泣きました、こんなに泣いたのは久しぶりでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年8月3日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
シュメール人 - なんか、、やばい、、、、、 (2021年5月18日 1時) (レス) id: b636df43a5 (このIDを非表示/違反報告)
- コメント失礼します。凄く感動しました。素晴らしい作品を有難うございます。 (2020年5月4日 18時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 占ツクみて何年も経ちますがこんなに泣いたの初めてです…最高の作品でした!!本当にありがとうございました。 (2020年5月3日 23時) (レス) id: 0ebbee04e8 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣きすぎてやばいです!呼んでいた1時間があっという間でした!本当にありがとうございました! (2020年1月4日 2時) (レス) id: 29d08050fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:中二半の彼女は霜月さん | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年7月6日 2時

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