21:何がどこか美しく見えたのか ページ21
「おはようございます。」
「おぉ、太宰やっと来たか。」
いつもなら怒る国木田くんが怒らない。何故だろうか…。
「それよりも太宰…原仲はどうした。」
「え?A来てないの?彼女は私より先に出て行ったはずだよ?出勤してるはずだよ?」
けど、席には彼女はいなかった。それどころか…
「机が綺麗…。」
彼女の物が何一つなく片付けられていて、最初から誰もいないかのように…綺麗さっぱりなくなっていた。
「誰もAのこと知らないの?」
「知らないから聞いてるんだろう。お前は原仲の恋人だっただろう?」
「そりゃあ…そうだけど…そうなんだけど…そうだったけど…。」
何も聞いてないよ…。別れたから…会いたくないの?
「私も何も聞いてないよ…。」
聞いてたら止めてるし、あんなこと言ってない。
「探してくる…。」
来て早々の探偵社を飛び出した。
頭を過ぎり巡るのは、別れる前の想い出たち。私が自さつしようとして失敗したり、ただ川を流れてたりすると必ず探しに来てくれた。
「太宰くんみーつけた。大変だったんだよー?ほら、帰ろう?今日は早く出すもの終わったから…買い出しでもしてからにしよっか。」
「何食べたい?太宰くんは濡れちゃったから寒いかなあ…じゃあ、温かいものにしようかー。お鍋は時期外れだよね。うーん、じゃあポトフにしよう!!
太宰くんは私の作るポトフ喜んでくれたもんねー。」
ヘラヘラして…何があってもへらりと笑う癖…大好きだよ。どんな笑顔でも良いんだよ…君が側にいるのが分かるから…。
フワッとのほほんとヘラヘラと…そんな君が1番だった。
日々の何気ない君の言葉が、私の胸の中に溶けてゆく。
「あー、また流れてたんだねー。」
「今日はココだったんだねー。あ、大丈夫?手伝おうか?身体痛くない?」
「太宰くーん大丈夫ー??」
「あーあー、小さいかもしれないけど私の上に羽織って。冷えるよりもマシだよ?」
こんな当たり前のことに気づかないなんて…遅すぎたことにもっともっと後悔した。
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人生楽しんだもん勝ち - めちゃくちゃ泣きました、こんなに泣いたのは久しぶりでした。素敵な作品をありがとうございます。 (2021年8月3日 14時) (レス) id: 0301fd6d5d (このIDを非表示/違反報告)
シュメール人 - なんか、、やばい、、、、、 (2021年5月18日 1時) (レス) id: b636df43a5 (このIDを非表示/違反報告)
星 - コメント失礼します。凄く感動しました。素晴らしい作品を有難うございます。 (2020年5月4日 18時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
あいり(プロフ) - 占ツクみて何年も経ちますがこんなに泣いたの初めてです…最高の作品でした!!本当にありがとうございました。 (2020年5月3日 23時) (レス) id: 0ebbee04e8 (このIDを非表示/違反報告)
華 - 泣きすぎてやばいです!呼んでいた1時間があっという間でした!本当にありがとうございました! (2020年1月4日 2時) (レス) id: 29d08050fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:中二半の彼女は霜月さん | 作者ホームページ:
作成日時:2019年7月6日 2時