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「気ぃついたか」
「…土方、さん」
次に目を開けた場所は、あの崖でも森でもない、屯所
「あれ、私…」
なんで倒れたんだろ
「万事屋がお前のこと運んできてな」
万事屋…
ああ、あの時だ
「銀時…」
「取り敢えず、今日は休め。振替休日だ」
「そんな!頂けないです。それに、もう動けます」
「アホか、休める時に休め。またぶっ倒れられちゃこっちが迷惑だ」
「…」
「んな顔したって…あー、わぁったよ!でも午前は休めよ。午後から仕事だ」
「お気遣い、ありがとうございます」
土方さんは頭をかきながら立ち上がる
部屋を出ていくその背中を見送っていると
不意に彼は足を止めた
「お前、あいつとなんかあったのか」
「へ」
「あ、いや、なんでもねぇ」
土方さんは部屋を出ていった
「はぁ」
銀時の、離れた手
一気に熱が冷める感覚
あの時の感触が、鮮明に思い出す
完全に閉まった気持ちだと思っていたのに
彼に再会して、それが簡単に溢れてしまう
「ほんとダメだ、私」
忘れちゃいけない
あの時のことを
私は彼らに、銀時に
そして、
「…晋助」
二度と隣を歩んではいけないのだから
私は布団を頭から被り、目を閉じた
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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時