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「…ったぁ」





崖から落下したものの、木がクッションとなったようでなんとか無事だ




さほど痛みの少ない身体をゆっくりと起こす





「っ、銀時!!!」





そうだ、私は銀時に庇ってもらって…




慌てて辺りを見回すと、すぐ横に倒れていた





「ぎ、銀時!!起きて!!大丈夫!?」





目を閉じたまま、身体のあちこちには傷が出来ていた




どうしよう、銀時が…





「ねぇ、起きて!!お願い!!」





揺すっても起きる気配はない




呼びかけるうちに視界が涙で滲む




こぼれ落ちた涙は銀時の頬に落ちた





「…お前も案外可愛いとこあんのな」




「へ?」





涙を拭うと





「死ぬわきゃねーだろ、俺を誰だと思ってんだ」





そこには、先程まで死んだと思った彼の顔ではなく





「っふざけんなぁっ!!!」





いつもの様にケロッとした銀時がいた




…本気で心配した私の気持ちを返してほしい




取り敢えず1発見舞っとこうか、と拳を振り上げる





「コラコラ、仮にも俺怪我人。優しく扱ってくださーい」





振り下ろした拳は銀時の顔にめり込まず、




彼の手に収まってしまった





「どこが怪我人よ!離してよ!」




「嫌だって言ったら?」




「左を振り下ろす」




「やってみろよ」





彼の余裕な表情、口調




私のペースが狂う、乱される




あれ、私っていつもどんな風に話してたっけ




モヤモヤする胸中は、私の拳を迷わせた




何時まで経っても振り下ろされない拳は彼によって掴まれた




私の手を掴んだまま、銀時は起き上がる





「…離してよ」




「嫌だね」





…顔が、近い




両手は彼の大きな手に包まれ、私と銀時の距離は数センチ




上昇する体温を必死で抑える





「お前、何か隠してるだろ」





その言葉に、心臓が嫌に脈打った

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作者名:ハル | 作成日時:2019年8月16日 21時

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