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あれから後輩ちゃんに何度もお願いされて、さすがに良心が痛んだ私は渋々頷いた。そしてついにライブ当日。朝早くから物販に並ぶということで私もそれに付き合った。始発に乗ったものの、物販の列はもう既に出来ていた。こわい。


それよりも驚いたのはリスナーの年齢層だ。私たちみたいな20代越えはほとんど見当たらない。いるのは学生。ジャニーズみたいなもんなのかな。


なんせ私は後輩ちゃんに浦島坂田船の写真を見せてもらったことがない。__声に惚れて欲しいんです!__とかなんとか…まぁ彼らが声を売りにしているのなら顔は関係ないか、と大して私も気にはしなかった。


会場に入り、しばらくしてふっと照明が落とされた。__きゃあああ!!__という耳を劈くような声が聞こえたと思えば、ステージから4人の人が現れた。


そして私はその1人に見覚えがあった。


「…坂田…?」


ステージ上からウィンクを飛ばしている彼は正真正銘幼馴染の坂田だ。衣装のせいか、あの頃とは違う雰囲気が漂っているものの、どこかあの頃の面影があった。


なんで、坂田が?そんな思いで彼を見ていると、坂田がこちらを向いた。そして目を見開いて数秒固まる。そのせいで歌に入り遅れる坂田。その反応で、確定してしまった。彼は私の幼馴染の坂田だ。


それからはライブになんて集中出来るはずもなく、あっという間にライブ終了。後輩ちゃんに__楽しかったですねー!!__と言われ、苦笑いで返すしかなかった。そろそろ帰ろうかと話していたその時、


「あの…Aさんですか?」


と声をかけられ、なんだろうと振り向くとスタッフさんが私の肩を叩いていた。


「そうですけど…」


「少し着いてきてもらってもよろしいでしょうか?」


「分かり、ました」


チラッと横を見ると、後輩ちゃんが不安げな顔をしていたから__大丈夫だから先に帰ってて?__とお願いし、私はスタッフさんの後をついて行った。どこに向かっているのか。それよりも嫌な予感が半端ない。変な汗が身体中から吹き出てる!!


控え室と書かれた部屋の前でスタッフさんは止まった。あ、これはもしかしてそういうこと?スタッフさんはコンコン、と扉をノックした。


「どーぞー!」


この声は坂田じゃない。確かえっと…うらたぬきさん?の声なはず。スタッフさんは扉を開けて__それでは、__とどこかへ去って行った。もう私も後ろをついて行こうか!!この場に残りたくない!!


「A、お前は中」


…ちくしょう。

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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:作者一同 | 作者ホームページ:***  
作成日時:2019年4月29日 23時

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