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あれから数年が経った。坂田と離れ離れになってしまってから、また色のない日々を送っている。坂田は何してるのかな。ちゃんと食べてるかな。恋人はいるのかな。もう…結婚してるんだろうか。
仕事中にそんなことを考えてしまい、ふっと苦笑する。彼女でも何でもない、ただの幼馴染がお節介すぎるな。
気持ちを切り替えて仕事をしよう、と手をつけた時だった。後輩ちゃんが私の元へ寄ってきた。
「せんぱ〜い！」
「どうしたの？」
ネガティブな私とは正反対な後輩ちゃんは、良い匂いを香らせながら私の瞳を覗いた。
「あの、先輩にお願いがあって…！」
「いや」
「なんでですか！？」
__私まだ何も言ってないのにぃ！！__と嘆く後輩ちゃんを視界の隅に、私は手を動かしながら答える。
「後輩ちゃんのお願いはろくなことがないから！」
「えぇ〜そんなこと言わずに〜！話だけでも聞いてくださいよ！」
__ね？お願いしますっ！！__と潤んだ瞳でお願いされてしまって、後輩ちゃんのその顔に弱い私はまんまと罠にハマった。
「じゃあお昼休みにお話しますね！！」
そう言って後輩ちゃんは自分のデスクへ戻って行った。
あっという間に時は過ぎ、お昼休み。私は後輩ちゃんに捕まる前に逃げようかと足早にその場を立ち去ろうとしたけれど、後輩ちゃんの方が一枚上手だったようで待ち伏せされていた。あの時の後輩ちゃんのニタリとした笑顔は生涯忘れないだろう。ってか忘れられない。
「やっとお昼ですね！！長かったー！！」
「私は早かったよ…で、お願いって何？」
カチャカチャとお弁当を開けながら問いかける。もう逃げる術はないのだから聞いてしまった方が早いだろう。とてつもなく嫌な予感がするが。
「16日って先輩お休みでしたよね？」
「…うん」
「私とライブ行きませんか！？」
嫌な予感見事に的中。
__はぁ、__とため息をついて、「誰の？」と問いかけた。すると返ってきた答えは��浦島坂田船��というよく分からないグループで。__私そのグループ知らないよ？__と言うと、後輩ちゃんは__ライブまで日はあるので教えます！__とニッコニコ笑顔で言った。
「知らない人が行くより知ってる人に譲った方がいいんじゃないのー？」
「まぁそうなんですけど…」
「…ライブは建前でほんとの目的は？」
「先輩を浦島坂田船の沼に落とすこと！！…あっ」
素直なところが後輩ちゃんの良いところです。
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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (
レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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