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ひゅう……と、どこか遠くで喉が哭いた。
何を、今更。そんな事を考えているのか。
何を、今更。怖気付いているのか。
「貴女に、」
息を止めるために開いた口から、俺の意に介さず、音が零れる。一度零れ落ちた言葉を、想いを止める術を、俺は知らない。
……それならば、いっそ。
「貴女に、このような事を告げる私は、本来であれば側近に相応しくないのでしょう。それでも……」
ゆっくりと、剣を鞘へと戻す。
全てが終わる今宵、俺の持ち得る全ての想いを貴女へと告げよう。
「俺の、生きる理由になってくれませんか。一緒に、ここから逃げよう、A」
この馬鹿みたいな運命に抗い、俺との新しい運命を歩んでほしい。
驚いたように目を丸めたAが、逡巡の後に口を開く。その答えに、彼女の手を引いた。
***
「……本当に良かったの？」
「んん？」
「全く誇れないけれど、私、公務以外で城の外へ出るのは数十年ぶりなのよ」
暗闇を抜けた先。満開の花畑に、寄り添う影が２つ。足元に広がる城下町を眺めていた。
「A一人守れない俺じゃねーよ。余計な心配すんな。俺の隣にいれば、それだけで充分だから」
ふいに、影が１つに重なる。
新しい始まりを告げる朝陽が、２人の先を照らしていた。
to be continue……?
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なのなの-VII(プロフ) - 以前から気になっていたのですが、時間がなく、やっと拝見させていただくことができました。私の少ない語彙力では、気持ちを全て伝えることができないことが悔しいです。なので、一言だけ。とても、素晴らしかったです。 (2019年12月9日 23時) (
レス) id: 3d69e77dfd (このIDを非表示/違反報告)
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