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『それでは行ってきます!』
「せっかくの休みの日に悪いな。頼んだ。」
『はい!任せてください!行ってきます!』
「何かあったらすぐ連絡しろ。」
今日はお休み。
街に繰り出そうとしたら土方さんに呼び止められておつかいを色々頼まれた。
『えっと……まずは郵便局にいって手紙を届けて……』
街を出るのは久しぶり。
だけどこうして歩いてると前の世界を思い出す。
向こうの世界の私はどうなったのだろう?
死んだのかな?
もしかするとまた戻ることになる?
普通なら戻りたくて足掻くんだろうなぁ……
だけど私はこの世界の方が好きだ。
みんな優しいし強さをくれる。
自分のことも愛せるようになった。
向こうの世界は絶望だらけだった。
出来ることならずっとここにいたい。
でも私がこの世界にきた理由が知りたい。
「ハッ…ハッ…ハッ…」
『ん?!えっ!!!大きいッ!!』
ボーっと歩いてると激しい息づかいが聞こえて
顔を上げると白いモコモコのデカイ犬がいる。
『えっ?めちゃめちゃ大きいね君!着ぐるみ!?そのわりにリアル…』
ぱくっ
ーーー食べられたァアァァ!!
頭を思いっきり食べられてしまった……ど、どうしよう!!誰か助けて!!
「コラ定春ゥ!!!拾い食いはダメって言ったネ!コラ!って人間食ってるアル!定春!離すネ!」
「だ、大丈夫ですか?!?ってあれ?!Aさんじゃないですか!!?ん?でも体型がちがう?その前に手当てを!!」
「お?本当ネ!これAアル!お前痩せたネ!やっぱ真選組でコキ使われてるのカ?」
『か、神楽ちゃん!新八くん!久しぶりだ……ね!あれ?これ……血?誰の?』
二人との再会が嬉しいと思ったらポタポタ顔に垂れてくる……よく見たら血!!
「たたた大変!!はやく万事屋に運んで手当てしなきゃ!!」
「ごめんネA!定春がお前のこと食べちゃったから血がタラタラ出てるアル!定春に乗るヨロシ!」
『えっ、ちょっ?えぇえ?!』
「大丈夫アル!みんなよく定春に食べられてるから手当てはすぐできるヨ!」
神楽ちゃんが私をヒョイと白いモコモコに乗せると猛スピードで動き出した
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作者名:Zoo | 作成日時:2020年5月14日 22時