翔んで銀魂！ (ページ24)

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ﾁｭﾝﾁｭﾝ……

朝のまだ肌寒い時間に起きて……

『97、98！99、100！…ﾌｩ』

木刀で素振りをして……

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀ……

『ふぅー！』

誰もいない道場を雑巾がけして……

「おはよう。準備できたみてーだな。やるか？」

『おはようございます！土方さん！よろしくお願いします！』

朝が苦手なダイエットのご主人様こと沖田さんのかわりに、毎朝30分土方さんが地稽古に付き合ってくれる。

ﾊﾞｼｯﾊﾞｼｯ……ﾀﾞﾝｯｯｯ！！

土方さんは手加減なんてしてくれないから一振りを受け止めるたびに手が痺れる…

「ほぉ。今の受け止めたのに刀落とさなかったなぁ！少しずつ成長してるみてーだな。」

『ありがとうございます。でもまだまだです……そこだｧｱ』

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ……ﾀﾞﾝｯｯｯ！

隙をついて土方さんに向けて振り上げた刀

ﾊﾞｼｨｯ……ｶﾗﾝｶﾗﾝ

軽く払いのけられ刀は手から離れていった

「……まだまだ甘いな。剣筋がバレバレだ。」

『ｸｩ……悔しい゛ーーー！！』

道場で寝転がってジタバタする私の横に座るとタバコに火をつける土方さん。

「もうここに来て3カ月か。どーだ。居心地は悪くないか？」

『居心地良すぎて良すぎて……本当に皆さんには感謝でいっぱいです。何より規則正しい生活とごはんと稽古でめちゃめちゃ痩せました！』

前の世界がどれだけ自堕落だったか分かるほど、この３ヶ月で15㎏近く体重が落ちて体型も別人になりつつある。

「そうだな。前はふっくらして餅みてーだったからな。」

『餅でしたねー……いや！餅以上ですよ』

「今はどこぞの姉ちゃんだな。……最近隊士たちがお前くると浮き足立ってやがるからな。」

『気のせいですよ！隊士さんたちが私なんかに浮き足立ってたら江戸の平和は守れませんよ！』

「ﾊﾊｯ…それもそうだな！」

『そういえば昨日スーパーで新商品のマヨありましたよ！マヨ方さん！』

「ﾌｯ……濃厚マヨネーズDX…だろ？」

『なっ、なんで新商品わかるんですか？！』

「お前……冷蔵庫に隠してたろ。」

『！！！……今日こっそり使って驚かそうと思ってたのに』

「マヨラーを舐めてもらっちゃ困るな。」

『昨日の夜中に隠したのに……ってことは土方さんあなた夜中にまた冷蔵庫のマヨすすりに！？』

「あっ…やべぇ……お、俺そろそろ行くわ」

『あっ逃げた！待てーー』

私は稽古のあとのこの穏やかな土方さんとの2人だけの時間がすごく好きだ。