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「まさか武州にあの春雨とこの天人とつながってる野郎がいるとは思わなかったんだがな。」
「とりあえず、今のところあちらには動きはないみたいだが、用心するに越したことはない!Aちゃん!!!」
『!!……は、はい?なんですか?』
そういうと近藤さんは私の手を握りしめ
「いやぁ……Aちゃんのこと調べれば調べるほど天涯孤独だったんだよ……それなのに天人にも狙われてるとは……どうにか力になってやりたくてなァ!!」
「はぁ。うちの大将は本当に人に情けをかけやがる……」
「だから!Aちゃん!俺のことは勲兄ちゃんって呼んでいいから!ねっ!」
『えっ……』
「ちょっと待ってくださいよ!じゃあ俺だって退兄ちゃんって……いやー、やっぱり退さん?山さんも捨てがたいー……」
「でしゃばんなザキィ……おいA!俺のことは総悟さまって呼びな!」
「何やってんだッ!!おめーらはよォッ!!ったく……A!」
『はい!』
「お前の部屋を案内する!ついてこい。」
カチッ
そういうとまたタバコの火をつけた土方さん。
1日何本吸うんだろ……と思いながらあとをついていった。
「ここが今日からお前の部屋だ。」
『ひ、広すぎではないですか?』
「ここはもともと女中部屋だからね!」
と、後ろから山崎さんが教えてくれた。
『女中部屋??真選組に女中さんいらっしゃるんですか?!!』
「今は干からびたおばちゃん達が朝昼夜に飯炊きに来てくれるだけでさァ……前はもっと女中いたから洗濯も掃除も頼めたってのに……」
「まぁまぁ!総悟!武士たるもの自分の身の回りのことは自分で出来なきゃぁいけないぞ!!」
「「「(だからコンニャクを自分で…)」」」
「ねぇみんな今同じこと考えてなかった?!まさかコンニャクのこととか考えてないよね?ねっ?ねっ?」
『あの……じゃあ洗濯とお掃除は各自で?』
「そうだね!出動のあとなんか隊服がドロドロだから本当に大変なんだよー……はぁ。」
『私に洗濯とお掃除させてください!料理もやります!とにかく何かさせてください!』
「なんでィA……おまえ女中になるってェのか?」
『はい!居候の身ですし……なにか力になりたくて!!』
「なるほど。良い心構えだな!どうだ?近藤さん?」
「Aちゃん!よろしく頼んだよ!」
ガハハと言いながら近藤さんは握手を求めてきた。
握手すると、やっぱり体と同じく大きくゴツゴツした手でなんだか安心した。
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作者名:Zoo | 作成日時:2020年5月14日 22時