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「お前のせいだろ…!!!」
『えっ…』
「ブクブク太りやがって!!」
『なにいって…』
「萎えるんだよ…どっか行けよ!」
浮気したくせに暴言をぶつけられた…
確かに同棲前と比べて太った。
幸せ太りなんて楽観的だった。
『だからって浮気なんて酷いよ!!』
「クスクス」
彼の隣に座るハイヒール女が鼻で笑う。
目が合うと私のことを上から下まで見るなり
また笑った。
ハイヒール女は細くて髪の毛もサラサラ
笑う口元をおさえる指の先のネイルも綺麗
対して私は
くびれもなくなったドラム缶のような体型
髪の毛はキューティクルなんて皆無
圧倒的に負けている
悔しい
悔しい
悲しい
「分かったら出てけよ!」
『っ……』
ぶん殴ってやりたい…
女のサラサラの髪ひっぱってやりたい…
でも何もできなかった。
バタン!
私は何も悪くないのに逃げることしか
できなかった…
ーーーー
『もうやだ……消えたい…』
泣きながら無我夢中に走った…
今日で私は全てを失った。
仕事も彼氏も家も…
こんな絶望を抱えてこれから
どうやって生きていけば…
キキィィーーー
ドンッッッ!!!!
『痛っ……』
「おい大丈夫か!!」
「人が跳ねられた!!」
「救急車!だれか救急車を呼んd…」
無我夢中で走っていた私はどうやら
トラックにぶつかったらしい…
頭からドクドクと血が流れているのがわかる…
体に力も入らない…
意識が薄れてゆく…
今日はどんだけ運が悪いんだろう…
もう…このまま
消えてもいいや…
視界が完全に真っ暗になったあと
私の意識は飛んだ…
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作者名:Zoo | 作成日時:2020年5月14日 22時