140.どんなものでも意思がある ページ44
すんすんとそこらへんでうろうろする野犬に手を差し出す。警戒心MAXだった犬も、ぱっと手を開いてソーセージの乗っている手を見ると尻尾を振っててってってっ、っとよってくる。
パクパクと食べるその姿が可愛くて、あまりあげてはいけないのだろうが、次々と小さくちぎってあげてはぽいと口のそばに投げてやる。
真選組ソーセージと書かれたパッケージはやけにリアルなゴリラが描かれていて、隣には何故かマヨネーズが意思を持っているかのように楽しげに座っていて。
誰がパッケージ案を考えたんだろう、なんて思いながら、ぽいとそこにあったゴミ箱にそれを捨てるーが、外れてしまって植木の向こうがわに飛んでいってしまう。
「ああ、いけない。」
すぐに立ち上がって、植木の中をゴソゴソと探していれば、向こう側に何か銀色の糸がたくさん植木に引っかかっている。
なんだろう、と思いながら好奇心だけでそれをぐいっ、と引っ張れば、その糸が「いててててて!!」と叫び声をあげたからびっくりして思わず手を離してしまう。
「誰だよ!俺のサラサラヘアーを引っ張るやつは!抜けちゃったらどーするの!」
「銀ちゃんの頭のもじゃもじゃは最強アル。そんじゃそこらの力じゃ抜けたりしないネ。」
糸が会話を続けてる…と不思議に思ったけれども、銀ちゃん、アル、ネ、などの特徴的な言葉尻と聞いたことのある名前にAはひょいと植木の上から向こう側を覗いてみる。
「あ…いた…。」
「ああ?」
植木を飛び越えて、彼らの前に立てばいつもの隊服姿でないのか、怪訝そうな顔をして「何してんだ、お前。」と低い声でAに声をかけて来る。
「探してたんだ、銀ちゃん達。」
「…なんだよ。」
「なんか嫌な予感がするんだけど…」と少しずつ顔を青める銀時。土方には万事屋にこれ以上近づいてはダメだと言われたけれども、今回はこの人達の手を借りないことには事が上手く迅速に進まない。
期間は2ヶ月しかないのだから。
それにしても何やら大袋を持った神楽と新八。一体今から何をすると言うのだろうか。
「お願いがあるんだが…その袋は?あと…その少年は?」
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咲(プロフ) - 玲奈さん» すごくそのお言葉嬉しいです…ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします! (2020年5月10日 10時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
玲奈 - ずっと求めていたものがまさにコレ!って感じで凄いおもしいです!更新楽しみに待っています! (2020年5月10日 3時) (レス) id: 4d2b01f996 (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます。頑張って書いていきます。よろしくお願いします! (2020年5月9日 13時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - シリアスすごいいいです!これからの展開が楽しみです!更新楽しみにしてます! (2020年5月9日 9時) (レス) id: 319352fe0b (このIDを非表示/違反報告)
咲(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます。ゆっくりだとは思いますが、最後まで見てくださると光栄です。よろしくお願いします! (2020年5月8日 12時) (レス) id: 97c0d12c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲 | 作成日時:2020年1月29日 23時