CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ8)

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「…お前ら一晩で何があったの？」
「いや紛らわしい言い方せんといてや」
「センラもちゃっかりしとんなぁ」

「いや、ちゃうって」と呆れた顔で私のマグカップを受け取った彼。淹れてくる、と言ってテーブルから離れてしまった。

それを待っていましたと言わんばかりに私の方へうらたさんと志麻さんがやってきて、口々に「何があったの」だとか「どういうこと」だとか、ニヤニヤした顔で詰め寄ってくる。

別に大したことは何もないと言っても納得してくれそうにないし、助けを求めるようにセンラくんへ視線だけを向けると彼は何も言わずに、人差し指を口に当てて「しーっ」というジェスチャーをして、おまけにウインクまで付けてきた。どういうことなの。

そんな中、一人むすっとした顔でこちらを見つめる人物が一人──

「………ずるい」

ぼそっとつぶやいたその声、顔を上げると腕を組んであからさまに不機嫌そうな表情で、坂田さんが立ち上がってこちらを見下ろしていた。

「なんだ坂田ぁ、嫉妬か？」
「男の嫉妬は醜いで、坂田」
「うっさい！なんやその大人の余裕ありありですぅ～みたいな顔！」

確かにうらたさんと志麻さんは先程からずっとにやけた顔で"からかう気満々"といった表情だけれど。そんな二人に文句を言い、あぁ、これはからかう標的が私から坂田さんへ移るな──と安心する。

「…どしたん、ギャンギャン騒いどるけど」

「はい、おかわり」とマグカップを差し出してきたセンラくん。お礼を言って受け取ると、彼は私の隣の椅子を引いて座った。テーブルの反対側、今度は坂田さんがうらたさんと志麻さんにからかわれている。

さあ、と受け取ったコーヒーに口を付けながら返すと、「まあ坂田のことやしどうせしょーもない話やろ」と彼も持っていたコップを傾けた。いいのか、しょーもない話扱いして。

と、私の隣にセンラくんが戻ってきたことに気付いた坂田さんは彼のことを指差して「あ！」と大声を出した。言うまでもなく、隣の彼は顔をしかめて。

「そもそもセンラやん！何お前急にAちゃんと距離詰めとんねん！」
「はあ～？距離詰めてへんし。最初からゼロ距離やけど？」

何言ってんだ。
少し面倒なことになりそうだな、と思って知らないふりでそっぽを向いてコーヒーを啜る。…何故か好かれることは今までも時々あったりしたけれど、こういう面倒そうなのは初めてだから。