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「…じゃあ、ストックで。よろしくお願いします」
「おう。で、坂田の件どうなった？」
さっそく次の話へと移った。…一瞬、この人私の血どれだけ持ってるんだろうなんて気になったけれど、それは聞けそうにない雰囲気である。もしかしたら聞かれたくなくてすぐ話を移した可能性だってある。
素直に坂田くんの、お菓子の件について彼に説明を始めた。目的のものが置いてある位置と、して欲しいこと、お願いを。
「そこに解析結果からリストアップした物が置いてあります。…いくらか候補は絞れたんですが、最終的にうらたさんに確認していただきたくて」
「おー、これだな。…あー、大体そうだな、当たってる」
人間の私より、夢魔の彼の方が夢魔に関しては詳しい筈だ。それなら、ある程度候補を絞っておいてその上で製薬に相応しいものを選んでもらった方がいい。
彼は私が用意していたリストに書き込みを加えながら、口頭で何を使えばいいかを説明してくれて──最後に、悪いな、と一言私に向けて、困ったような笑みを浮かべながら言った。
「…いえ。うらたさんとの約束もしてますし、恩返しだと思ってくだされば」
「え、約束？」
「……中毒症状を抑える件ですよ」
彼はニッと笑った後に「冗談だよ、覚えてる」と小声でくすくすと笑った。…まったく、悪い冗談である。小さく溜息を付くと──私の膝の上に頭を乗せている彼が、少し唸って。
「あれ、まーしぃ起きそう？」
「…あー、多分、そうですね」
「まあそろそろアイツらが見に来る頃合いだし、起こしといたほうがいいかもな」と、うらたさんがドアの方へ歩いて行った。多分、鍵を開けるのだろう。
それなら、と少し申し訳ないけれど、志麻さんに起きてもらわないといけない。「志麻さん、志麻さん」と小声で話しかけても起きそうにないから、肩を揺さぶろうとして。
声をかけながら少し揺らしたら、「ん、ん〜」と生返事だけが帰ってくる。あ、ダメだ、寝起き悪いタイプだ。苦戦しているとうらたさんがやってきて、面白いものを見るような目で見ている。…この人、また何かやらかすんじゃないだろうな。
「まーしぃ、起きねえと修羅場るぞ〜」
満面の笑みである。先程は察してドアのカギを閉めてくれたのに、いざ何か不慮の事態が起こるとそれを面白がって悪ふざけを始めるのだ。…勘弁してくれ。
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結月。(プロフ) - この作品と出会ってから一気読みするほどめちゃくちゃ大好きです。作者様のペースで構いませんので、更新楽しみに待っております。 (2022年2月10日 2時) (
レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#N/A | 作成日時：2021年11月24日 21時
