CRUSH × BUZZED × CRAZY ！？Ⅱ【utit】 (ページ20)

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「しゃーないからサンドウィッチだけやったら足りんと思って、センラさんが追加で作ったったで〜…って何、この空気」

実験室のドアが開き、誰かが入ってきた足音。

そう、今一番来てはいけない人が来てしまったのである。坂田くんはわかりやすく額に汗を浮かべているし、うらたさんは何か悪い企みを思いついたような顔をして。

あぁ、多分また一波乱起こるような、そんな気がする。

「…センラ、坂田がAのことす──」
「わあああああああああ！！！！！！勘弁してやうらさん！！」
「何やねん急に大声出して…」

やると思った。真っ赤な顔をして大声を出す坂田くんに、それを面白がっているうらたさん。それを不審な顔をして問い詰めようとするセンラくん。

この調子じゃしばらく騒ぎは収まりそうにないな──と持っていたサンドウィッチをぱくり。うん、美味しい。

また誰かの足音──もう志麻さんしかうちにはいないのだから、確実に志麻さんなのだけれど──が聞こえて、ドアの方を向けば予想通り志麻さんがそこに。

「…またなんかやらかしたんか、坂田」
「まあ、やらかしたというか、うらたさんのせいなんですけど…」

目が合って私のそばまで歩いてきた彼と言葉を交わす。そう、何というか、多少のやらかしを聞かなかったことにすれば何もなかったようにできたのだけれど。

例の彼が面白がって波乱を呼ぼうとしたから、こうなっているのである。

「いや、ほんまさっきセンラの機嫌なおしたばっかやからまた損ねさすんはやめてくれ…」
「す、すみません志麻さん。いつもありがとうございます」

ええよええよ、と彼が笑顔で言うところを見るに、多分苦労を知ってもらいたいというだけなのだろう。本当にありがたい。

最近は私がなだめてもまだプンスコ怒っている時があるから…まあ、彼が私と対等に接してくれて、あの心の底から心酔しているイエスマンでは無くなったからだろうけれど。

「てかアイツ、トレーあっちに置いとるやんけ。食いたかったのに…」
「あー、追加分、ですか」
「そうそう、デザートにフルーツサンド作ってん」

相変わらずブレないなあ、とどんなフルーツサンドを作ったのか説明してくれる彼に思う。「フルーツと生クリームの相性マジで最高やわ」と言う彼はとても機嫌が良さそうだ。

まあ、それを食べられるのはもう少し後になりそうだが。