【H×H】マドンナリリーの花を君に贈る。２ (ページ2)

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「そう？残念。」

頬を染めて大きな声で否定した彼女に、軽く謝っておく。

リングでは、ヒソカが念を使って相手を仕留める所だった。

ぱち、とヒソカと目があったのでひらりと手を振っておく。

「…アンタ、ヒソカとも知り合いなんだね。」

「キミだって知ってるだろう？ヒソカは幻影旅団に属しているんだから。」

ヒソカは、背中に大きく蜘蛛のタトゥーをいれている。

…が、触った感触は完全に布だったので、幻影旅団に本当の意味で属している訳ではなさそうだが。

「まあね。今日はアイツへの伝言に来たんだけど…仕事も増えたわ。」

「仕事？」

「そ、アイツの両腕よ。アタシは念で身体組織を縫い合わせる事ができるから。」

「それは凄いね。私も腕が取れたらお願いしようかな？」

冗談めかしてそう言って笑う。

大体、腕が取れる事態はそうは起こらないだろう。

彼女は私をジッと見つめた後、一枚の髪の切れ端を寄越した。

受け取ってみれば、数字の羅列が書かれている。

「…それアタシの電話番号。アンタなら格安で受けてあげる。」

「本当？嬉しいな。私もキミの依頼だったら引き受けてもいいよ。」

「アタシはマチ。…もし団員が足りなかったら、アンタを誘うのに。」

「ふふ、私にあの幻影旅団の団員が務まるかな？」

私の何かが彼女の琴線に触れたのだろうか。

本当にナンパされているのだろうかと思うくらいに鮮やかに今晩の食事を彼女と取る事になった。

ホテルにでも雪崩れ込むことになられたら困ると彼女の青い瞳の色を見たが、不思議と情欲だとか色恋だとかの気配はなかった。

「じゃ、アタシヒソカの腕直してくるから。約束の店でね。」

「わかったよ、マチ。」

ヒソカの元へ向かうマチを見送って、どうしてこうなったのかと心の中で思う。

本来ならヒソカの元へマチと一緒に行ってグローブを返してもらいたい所だったのだが、団員同士の間に入るのもどうだろうかと考えて遠慮してしまった。

…約束の時間まで、暇を潰すか。

何をしようかと思いながら、円の範囲内で覚えのある存在を見つけた。キルアだ。

恐らくヒソカの試合を見に来たのだろう。ゴンの姿は隣に無かった。

「キルア。」

念で完全に気配を断ち切る『絶』を使い、彼の後ろを取る。

名を呼ぶのとともに、ぽん、と彼の肩に手を置けば、ぴょんと身体ごと飛び跳ねた。

…予想以上に驚いたなぁ。