パパはカッコいいと思われたい【安室透/降谷零】

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降「ここで待ってるから終わったらすぐに戻って来るんだぞ」

「うん！」



と仕方なく一人で向かわせたのはお手洗い
ママがいない不便はここにある

だから幼稚園探しに苦悩していた頃、最も尽力してしつけたのが一人でトイレへ行く事
とは言ってもその教え方など分からず、ネットの力を借りながらなんとか頑張ったわけだが

今じゃその心配もほとんど要らない
Aは賢い自慢の娘だ



女「あの...お一人ですか？」



そして、こう言った声がけにもママがいれば良かったんだろうが、残念ながらそんな人間を迎え入れるつもりは毛頭無い

幼稚園に通わせていた時、実はその点で少し事件があった

ママを全く見かけなければ、いつも送り迎えに来るパパは全く似ていない"外人"
その為にママ友共の間で変な憶測が流れ、わざわざ子供達にもその話をしたらしく
ある日いつも通り迎えに行くと


『パパはパパだもん！』


と半泣きになっていた愛娘

その横で先生もオロオロとしていたが、それは園長か誰かから"安室A"についてプレッシャーがかかっていたからだろう
警察庁からの要請で入園して来た子だからな

一体何があったのかと、今すぐ全員娘を泣かせた刑で少年院送りにしてやろうかといった馬鹿な思惑もしたが
俺を前にしても随分と勇敢な子達で


男『僕のママが言ってたぞ！Aちゃんのパパはパパじゃないって！』

男『Aちゃんはママいないんだろ？』

女『だからフリンしてたんでしょ？フリンは悪い事だってママ言ってた！』

先『コラ！そんな事言っちゃいけません！...ほ、本当に申し訳ありません...この子達には私共からちゃんと教育を...』


...子供には何の罪も無いが、本当に反吐の出る親だな
お前達のそのママは先日の保護者会で俺に色目を使って来た人間だぞ
無視してやった腹いせか


降『この件については上に報告します。あなたに責任はありませんので安心して下さい』


先生だけ青い顔をしたのを見てから、Aを連れ帰った
その後直ぐに幼稚園や反吐の出る親共から深々しい謝罪が入ったのは当然の話



時を戻してトロピカルランドお手洗い前



女「すごいカッコよくて声かけちゃいました！」

女「めっちゃイケメンだしモデルさんですか！？」



そういう言葉は娘から聞きたい
俺がこの容姿で良かったと思う時が来るなら、それはAが



「パパー！」

降「一人で大丈夫だったか？」

「うん！」

女「え、パパ...？」

女「あの顔で子持ち...？マジ？」

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