殺し屋彼女の見るものは4 【赤羽業】 (ページ29)

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視線159 ページ29

12月25日

午前9時

以前のデートの時に難しくて出来なかった髪型にチャレンジした。

実はあれから少しヘアアレンジなるものを勉強して、密かに練習していたのだ。

その甲斐あって、今日はすんなり髪を整えられた。ちなみに編みおろしと呼ばれる奴を実践した。

『身だしなみよし、髪型よし。うん、バッチリ』

今日は前にカエデたちが選んでくれたもう一つのワンピースを着た。落ち着いた紺色にリボンが巻かれている、可愛いと清楚を半々にした様なデザインだ。

鏡の前で数回ターンして、出来に満足した私はうんうん言いながら今度はプレゼントの確認をした。

鞄にきちんと入ってることも確認。

抜かりなく準備が終わったので、少し早いけど家を出ることにした。

別に断じて楽しみで早く会いたいとかじゃないけど、たまたま準備が早く終わっただけ！

それだけそれだけ！

ガチャン

『カルマ？』

カルマ「あれ、早いね。まだ待ち合わせの30分前だけど」

『や、それ私のセリフ』

30分前に待ち合わせ場所に着いた私は、すぐに視界に目立つ赤紙を捉えて僅かに驚いた。

電車の中でずっと30分どうやって待とうか考えてたんだけど。

カルマ「もしかして楽しみ過ぎて早起きした？」

『ち、違う！別に準備が早く終わったから早く出てきただけだし！』

カルマ「ふ～ん♪」

うぅ、これまた嘘だってバレてるやつだ。少しくらい早く会えるかなって思ったのは事実だけでも。

私は恥ずかしくて無理やり話題を変えることにした。

『私またまた今日の予定聞いてないけど、どこ行くの？』

まぁ今日はカルマの誕生日だから、カルマの好きなことに付き合うつもりだけど。

カルマ「決めてない」

 『へ？』

カルマ「Aとどっか行きたいなって思っただけで、特に何にも決めてなかった。Aはどこ行きたい？」

『え、私の意見でいいの？カルマの誕生日でしょ』

カルマ「Aとならどこでもいい」

うっ。 な、なんか最近、カルマが妙に素直なのは気のせい、、、じゃないよね？

糖分が高すぎて耐えらんない！ 

『えーっと、じゃあ遊園地行ってみたい！』

カルマ「遊園地？今日クリスマスだから凄い混んでると思うけど」

 『あそっか、んーじゃあ』

カルマ「まぁいっか、遊園地行くよ」

そう言ってカルマは私の手を掴んで改札の方に引き返した。