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私がそう答えると、雨雲が散っていくみたいにぱあっと笑顔になって言った。
「A、だーいすき！」
莉犬くんの笑顔には本当に少しの濁りもなくて、１７歳のくせに幼稚園生みたいに無邪気で。
世界で一番美しい純粋な笑顔に包まれたあの日を、私は一生忘れないだろう。
毎日が平和で、幸せだった。
あの日から一か月、起こった事件と言えば、研究中の毒が盗まれたくらい。
施設内では大問題だったけど、莉犬くんが被害を受けてさえいなければ、私は何一つ気にしない。
今日は３月１４日。
世に言う「ホワイトデー」だけど、特にお返しは欲してないな。
だって、毎日笑顔でいてくれるだけで、プレゼントもらってるようなものだから。
私は今日も変わらず、研究室で過ごしていた。
それは、本当に突然の出来事だった。
何の前触れもなく、
「実験体が敷地内に脱走したぞー！」
という、職員の切羽詰まった大声が聞こえてきて。
実験体って、もしかして莉犬くん…？
ただならぬ事態に、研究室を飛び出す。
体の細胞全部のエネルギーを使い果たす勢いで、私は敷地の外へ走って行った。
鮮やかな赤髪がちらりと見える。
敷地を出た瞬間、
ぱん、と乾いた破裂音が響いた。
その銃声は、命だけでなく、
私の幸せ、そして人生までもを奪っていった。
紅い花が散っていくように、鮮血が飛び散る。
何が起こった、の…？
目の前がスローモーションで動く。
私は、ただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。
次の瞬間、莉犬くんは私の目の前で
力なく崩れ落ちた。
「莉犬くんっ！！」
鮮やかな赤髪が、じわじわと染み出したどす黒い赤で染まっていく。
元気とかわいさと純粋さを世界中からかき集めて、ぎゅうっと押し固めたら莉犬くんになるんじゃないか。
そう思うくらい、どんなときでも元気いっぱいだった莉犬くん。
力なく横たわる姿は、普段の姿からは想像すらもできなかった。
思わず抱きかかえると、力の抜けた腕がだらりとたれた。
自暴自棄になっていたとき、悲しくて泣いていたとき。
力強く、でも愛情をこめて抱きしめてくれた腕は、もう動かない。
くっついたときにじんわりと伝わってきた少し高めの体温は、どんどん逃げていく。
「死」なら、日常茶飯事だ。
新型の毒を開発すると、実験用のマウスに投与して経過や結果を観察する。
大切に大切に世話をして育ててきたマウスは、私の研究のために次々動かなくなっていく。
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雨上がりのcrew(プロフ) - ところで、甘味没収のときのセンラさんは夢主ではなく他の人と結婚をしていたのでしょうか、、、？隠し持っていた結婚指輪と書いてあったので、、、 (2019年7月16日 0時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月16日 0時) (レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
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