−2−え……私の幼馴染が呪ってたんですか…？【乙骨憂太】

✿ ページ30

「辞めっ……辞めた！？」

「は？？聞いてないんだけど？」

『先生に言ったら絶対めんどくなるから言うなって義務教育で習ったんで…。だから学長に言った』

「そんな義務教育あってたまるか」




「っていうか本当に許し出たの？」と疑うように見られたので、少し口を尖らせて反論する。




『ちゃんと出ましたよ。まあ最初、一身上の都合により退職しますっつったら破られかけたけど』

「だろうね」

『アッそれ常識なんだ…』




ブラックな世の中だなぁ……(白目)




『ってことで正直に話したら、休学じゃなくていいのか何度も聞かれたけど渋々許可された』

「嘘でしょ」

『本当だわ』




あれっ何でこんなに疑われんの私。日頃の行いってやつ？可笑しいな品行方正な優等生キャラで通ってるはずなのに(違う)



「あの学長を納得させるとかどんな理由なんだよ？」と聞かれたので、言わないと納得して帰ってくれないだろうなと思い渋々口を開く。




『私実は従弟がいるんだけどさ』

「知ってる。光に愛されし者ってやつだろ」

『おっとそれは私の地雷です』

「光に愛されし者が？」

『やめろッ黒歴史を掘り返すなッッ！！』

「Aちゃん早く話続けてくれる？」

『アッはいすみません』




目に光を宿さなくなってしまった幼馴染に謝罪しつつ、脱線した話を元に戻す。その深淵のような目がAちゃんは苦手です。できれば早く光を宿してほしいカナッ！(裏返った声)




『その従弟さ、今爺ちゃんと暮らしてるんだけど、とうとう爺ちゃんが入院しちゃったらしくて。んで、私に声がかかったってわけ』

「へぇー………具体的には？」

『具体的…？？爺ちゃんの代わりに従弟と暮らすだけっすけど…だって従弟中3だし………』

「ふーん」




憂太が答えると同時にだんだん小さくなっていく声。次に返答ミスったら殺されるかもしれない。だっていつもなら横槍を入れてくる真希ちゃんたちが黙って外を見てるから。この裏切り者どもがっ！！(キレ)



必死な私を知ってか知らずか、憂太がハイライトを失った目のまま聞いてきた。私の気分はさながら死刑執行直前の死刑囚である。何も悪いことしてないはずなのに………。




「ところでAちゃん。従弟って女子？」

『男子……………ﾋｪｯ』




憂太が手を置いてる机が今ミシッと音を立ててヒビが入った。どうやら返答を間違えたようですね。短かったけどいい人生でした(遺言)

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