みんな大好き北さんの妹【稲荷崎】

子供 ページ11

ア「…ていうことや、侑。Aは誰よりも優れたマネージャーになんねん。もう認めや、な？」

アランさんが侑を優しく諭した。

北「…Aは、一年間色々な高校を回ってバレーの研究をしとった。きっと今まで見てきた試合の記録全部覚えとるんや。

それだけやない。選手一人一人の特徴まで覚えとる。

急に知らん奴がマネになるのが嫌なのは分かる。けど、稲荷崎のマネはAしかおらんのや」

侑「…ッ…！」

侑が悔しそうな顔をする。なんとなく、侑の気持ちがわかった気がした。


私をどうしても認められない、そんな気持ちが。確かに、こんな生意気な後輩がマネっていうのは不安だし、認められないのかもしれない。

『私、正直侑のプレーには一番心を奪われた。今まで見てきた中で、一番しなやかで、シンプルに上手いなって思った。

私を認めなくていい。

けど、マネはやめないから。


これからも、そのプレー見せてよ』

私は侑の目を見てそう言う。


すると、侑は悔しそうに顔を歪めて上を向いた。



侑「〜〜〜ッ！！！あぁッ！もう負けた！認める！認めるわ！

正直わかってたんや、アンタが一生懸命マネ業やってんの。

けど認められるわけないやろ！！みんなAAって！

北さんに至っては俺のこと全然褒めてくれへんのにアンタのことは褒めちぎるし！！

俺だって北さん褒められたいもん！！！」

　
　
　
　
　
　
　
　
　
　


辺りがシーンとした。
私も、なんていうか、言葉を失った。



　
　
　
　

　
　
　
　
　
　

　

　
　
　
　
　

治「…子供か」

侑「うるっさいねん！！」

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