【文スト】濃霧と林檎？ 知ってたよ、此の野郎←【文豪ストレイドッグス】【太宰治】

死の果実へと ページ29

「うーわ、霧が真っ赤っか。『紅霧異変』か？」
これを三十分以内にどうにかしないと、英国(ブリテン)の時計塔の従騎士が派遣する焼却の異能者に横浜を焼かれる。
――流石は英国野郎(ブリカス)、やることの汚さが違ェなァ！！(とんでもないヘイト)
史実でもn枚舌の英国はこの世界でも英国(・・)だった。そもそも『ミミック』がああなった原因の一つでもある時点で、あの国に微塵も期待なぞしていない。
アガサ・クリスティ先生の『そして誰もいなくなった』は面白かったし好きだが、この世界のディム・アガサ・クリスティ爵は嫌いだ。ちなみに『そして誰もいなくなった』を読んだ切っ掛けは東方projectにハマったからである。
『紅霧異変』については『東方紅魔郷』を参照して頂きたい。ざっくり説明すると、６面ボス(所謂ラスボス)が幻想郷を紅い霧で覆ったよって事である。
EXボス箱入り金髪吸血鬼ロリ(フランドール・スカーレット)、いいよね。オタクって元ネタ調べがち。

それにしても横浜、色んな国に狙われ過ぎやしないか。

「Aッ、伏せろ！」
その声に私は姿勢を低くする。そしてその直後に、私の頭上を何処からか飛んできた瓦礫が掠めた。
「っぶな……」
「A、大丈夫か」
私に駆け寄ったのは赤銅色の頭髪の人だった。
「織田作、さん」
織田作さんに手を貸され、私はゆっくり立ち上がる。
「織田作さんも異能が戻ったのですか？」
私が問えば、彼は頷いた。
「国木田と合流した時に手伝って貰った」
成程、と頷く。
国木田さんは探偵社から大量の武器を持ち出せる。それに、国木田さんの『独歩吟客』を取り戻させれば閃光弾や鉄線銃(ワイヤーガン)などの妨害系の武器が手帳の頁がある限り使い放題も同然になる。予め罠を張れば『天衣無縫』は無力も同然。
「と云うことは国木田さんにも異能が？」
「ああ。俺が国木田の異能を撃ち、異能を取り戻した国木田に罠を張らせた」

流石BEASTで本編軸太宰さんポジションに居ただけある。確か、この世界では太宰さんより早く探偵社に入社している筈だ。それもあって国木田さんとの付き合いもそれなりにあるのだろう。
……どちらにせよ、国木田さんの胃が心配な事には変わりない。天然と迷惑噴霧器に挟まれる国木田さん……。いや、安吾さんもまさにその位置だったな……。

兎も角、霧を止めなければならない。私は織田作さんと共に駆け出した。

死の果実へと２→←幕は降りず３

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す