ツッコミ不在の恐怖 ページ27
うわあ、塩対応意味不明幹部と天然さんからの視線が刺さる。
何これカオス。
私は黒の時代の話の中に居る事への感激と、二人に見つめられているという焦りと困惑で、内心半ベソをかいていた。
安吾さん早く登場して!
その願いが届いたのか、
「織田作さん、それにAさん……今のそれ、突っ込む所ですよ」
と階段を降りてきた。
あれ、『Aさん』?私もカウントされてる?
……そうか、安吾さんとは知り合いだった。
情報のやり取りの時に知り合って、行動を共にすることもあった。最近では私が準幹部になったこともあり、あまり会う機会がなかったが。
「織田作さんは太宰君に甘いんです。太宰君の台詞の三つに二つぐらいは金槌で後頭部を叩いて突っ込むくらいでないと、収拾がつかなくなりますよ。ご覧なさい、バー全体がツッコミ不在の亜空間と化している。マスターなんて細かく震えています」
本当に震えてる。まるでツッコミ不在の漫才のような恐ろしいものを聞いているわけだからね。それなら仕方ない。
「それにAさん」
「あッはい、何でしょう」
「突っ込み所分かっているのに何故突っ込まないのです。というより最後。貴女も『何それ食べてみたい』と云っている場合ではないでしょう」
「だって突っ込まない方が面白いから」
私がそう云うと、安吾さんは頭を抱えた。
「やあ安吾! 暫く見なかったけど、元気そうじゃないか」
「元気なものですか。東京出張からたった今帰ってきたばかりなんです。日帰りのね。古新聞みたいに
私は席をずらした。
安吾さんは太宰さんと私の隣のバー・スツールに腰を掛け、肩から提げていた唐紅色の図嚢を机の上に置いた。
「マスター、いつものを」
安吾さんが私達の間の席に腰掛けるのとほぼ同時に、マスターは黄金色の液体を安吾さんの前に置いた。
それの中の泡が照明を反射し、優しく静かに光っていた。
「いいなァ出張。私も遊びに行きたい。マスター、蟹缶おかわり」
太宰さんの前には、空になった蟹缶が三つほど積まれていた。
いつの間に食べていたのか。成程、私が小説に集中している時か。集中し過ぎると周りの声等私の耳には入ってこないからな。この体質は
「遊び? マフィア全員が貴方のように暇潰しで生きているわけではないのですよ太宰君。勿論仕事です」
安吾さんも仕事人間だよな。休養はどうやって取ってるのだろう?
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サングリア - いえのきあさん» 判りました!定期考査頑張って下さい。私も今日から考査です…(´-ω-`) (2018年11月27日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
いえのきあ(プロフ) - サングリアさん» ありがとうございます!今はテストや課題があってなかなか更新できませんが頑張ります!終わりのセラフもテスト終わったらぼちぼち買うので、お待ちくださいませ! (2018年11月26日 22時) (レス) id: 75f23159f6 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 黒の時代…更新頑張って下さい! (2018年11月26日 16時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - 長くてすみません…(´-ω-`)出来たら2つ宜しくお願いします!更新頑張って下さい (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
サングリア - クルル、クローリーなどの上位吸血鬼に気に入られて心配される。吸血鬼にしようとしている。渚は四鎌童子、アシェラに出会い、話をしたことがある。四鎌童子と一緒に3年間行動した。渚はその事を覚えていない。かなり謎に包まれた渚の過去 (2018年11月24日 7時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夢秋 | 作成日時:2018年2月10日 2時