IH ページ26
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2セット目以降、サーブミスは減ったものの1セット目より流れが悪い。
相手のレシーバーも音駒の攻撃パターンに慣れたのかその後あまり決まらなくなり、5点の差を縮めることなく、私たちは負けてしまった。
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「みんな、おつかれさま」
猫又監督から試合の好評を貰い、こちらに歩いてくるみんなに対して、私は労いの言葉をかける。
そして、次の学校待っているためすぐに移動しなければならないことを伝えると、みんなは荷物を持って暗い表情で歩きだした。
誰も言葉を発することなく、目元を悔しそうに擦るメンバーも居る中、全員で体育館を出ると、黒尾が集合と全体に声をかける。
「まず、試合おつかれ」
悔しいプレーとか、あの時こう動けばよかったとか、それぞれ思うことはあると思う。
そう黒尾が話し出し、真剣な表情で各々が頷いて答えていると、すみませんと突如大きな声を虎があげる。
「俺、ミスしてばっかで…！」
「いや、俺ももっとブロックカバーいけた」
「…俺、相手の囮に何回も引っかかっちゃいました」
次々と出てくる反省は止まることなく、ごめんとお互いに謝りあうみんなを一度静止するように手を叩いた黒尾は、まーなんだと少し笑ってからこちらを見る。
「俺たちはここで終わりじゃない。
悔しい思い全部、明日からの練習にぶつけていくぞ」
ミーティングは学校着いてからだと締めれば、全員が真剣な表情で返事をし、一段と気合いが入ったように見える。
そんなみんなを見て、頑張れ…！と心の中で応援しながら拳を握っていると、黒尾がくるりとこちらに体を向けて、後ろにいる私に手招きをしてきた。
「A、この後の連絡頼む」
「あ、うん」
急いで黒尾に駆け寄り、メモ帳を開いてスケジュールを確認した私は、1、2年生に向かってBコートのラインズマンをお願いと運営側から出された仕事を割り振る。
私たち3年は人員も足りているので特にすることもなく、観客席へ戻ることになったが、これまで負けた後はすぐにでも動画見せろ！という勢いで詰め寄ってきた黒尾たちだが、今回ばかりは驚くほど静かで、私は少し不安になりながら階段を登った。
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作者名：西川あや | 作成日時：2022年10月7日 1時
