新入生 ページ3
◇◇
「ええ！今年も3人しかいないの！？」
始業式終わり。
今年こそは新入部員を入れようといきり立っている私たち音駒高校バレー部は、恒例の如くファミレスでミーティングという名の談笑会を開いていた。
「っなんで！？」
驚きのあまりそう私が大きな声を出すと、夜久が慌てて私の口を手で塞ぎ、場所考えろ！と注意する。
体験入部などが始まる前から入部を決めている一年生は、春休み頃には入部届を提出し、明日から本格的に練習に加わることになっているのだが、去年と同様、今年も希望者が少ない。
「…たく」
「ごめん。つい」
だって前回結構いい成績残したから…と、呆れ顔の夜久に言い訳のように呟けば、まぁ気持ちは分かると腕を組んで深くため息を着く。
東京でそこそこいい成績を残した上に、こんなに可愛いマネージャーだっている。それなのになぜ入部希望が増えないのか！
そう私が手を挙げて発言すれば、まぁ東京つってもウチは郊外だからな〜と諦めた様子の黒尾は、1番大切なところが聞こえていないらしい。
「絶対生意気なやつ居ますよ！」
「山本。お前、誰彼構わず威嚇すんなよ？」
ダンっと拳を机に叩きつける虎を見て、頬杖をつきながら揶揄うように夜久が笑うと、うるさい虎に全く動じず、その隣でメニューの裏の間違い探しを続ける招平。
「そして、Aさんに近づく輩を…！！」
そう意気込む虎に、なんて頼もしいのっ！と両手を合わせて喜んでいると、…うるさいと痺れを切らしたようにボヤく声が、黒尾の隣から聞こえてくる。
これだから来たくなかったんだと言ってゲームする研磨に、強引に連れてきた張本人である黒尾と私は目を合わせて苦笑いをこぼした。
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作者名：西川あや | 作成日時：2022年10月7日 1時
