【HQ】ヘーゼル色の光・3【夜久衛輔】 (ページ45)

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突然、衛輔が私の言葉を遮った。
なぜ？と思う間もなく、衛輔は淡々と話してくれる。

『あの時は、海が言ったように少しでも無理しちまってたAの負担を減らしたかったのにそれがチャラになっちまったことと、いつの間にかベンチに戻ってもテキパキ動いてたの見たことで、おかしいくらいの暑さで頭もやられてて、ついカッとなってしまったんだ。腕引っ掴むなんて女子にする事じゃねぇのにな。次の部活でもちゃんと面と向かって謝罪するが、今この場でも言わせてくれ。俺が悪かった。ごめんなさい』
「ぇ、……ぁ、え、？」
『夜久の誠心誠意の謝罪に戸惑ってる』
『こんなに謝られると、ビックリしてしまうよな。』

こんなに、誠心誠意謝ってくるだなんて。
私だって睨んでしまったのに、怒ってないの？
私だって謝らないといけないのに、病院でも言ったけど、謝らないとなのに。

「あ……うん、大丈夫、ホントに、うん、え、怒ってないの？睨んじゃったこと」
『怒るわけねぇよ。逆に怖がってねぇことに驚いたわ』
『確かに。Aの気の強さ再確認いたしましたね』
『Aは美人で顔も整っているおかげで、人睨みするだけで迫力と怖さがあるんだぞ。覚えておいたほうがいいと思う』
「分かり、ました……。」

信君の頷く声を合図に、鉄君はやんわりとその場をまとめ始める。

『まぁ、良いんでないの？』
「あ、良いんだったら、その…しばくのは……」
『それはないなぁ。』
「信君から言われるともう罰ゲームという名のしばかれる未来不回避じゃないすか、泣きそう」
『Aが今後無理しねぇようにするためのしばきだ！』
『研磨達後輩の前では無理でもさ、俺と海と夜久の前だけでは、溜め込まず無理もせず、弱い姿も見せて下さいよ、音駒のマネージャーさん？』
「っ……。うん………。」

そういうわけで、あとは軽く世間話をして、
グル通はお開きとなったのだった。