【HQ】ヘーゼル色の光・3【夜久衛輔】 (ページ37)

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「──────よし！20時50分！バッチリだ、」

あれからお母さんがすぐに滋養のある美味しいご飯(キムチとささみの炒め物、醤油ベースのかき玉汁、雑穀ご飯、作り置きの梅と茄子の和え物、カフェのパートで貰ってきたみかんとイチゴ・黄桃・まさかのシャインマスカットの盛り合わせ)を作ってくれて、そしてすぐにお風呂に入らせてもらった。

自室に戻ってスキンケアをして、髪を乾かしてすぐ歯磨きもして、家の中で移動する度に持ち運ぶ1Lボトルに水を再度汲んできて、パソコン代わりに使っているタブレットを起動してLINEを開いて、有線イヤホンをつければもう準備万全だ。家で誰かとLINE通話する時はタブレットで通話する。

タブレットでもLINEログインしていて、スマホよりもずっと充電切れの心配がないし、スマホを触りながら話すことだってできる。この状態だと、話している最中にSNSの投稿をシェアしたり、話題に上がった内容を調べて更に話題を深堀りできたりすることが出来るから、我ながらいい状態で話しているなと思う。

部屋着だけは年中長袖である。と言っても、オールシーズン着れる、結構エレガント要素強めな、レース多めのワンピースタイプの部屋着を着てるだけだ。冬は部屋着の下にヒートテックを着てアロマ加湿器と暖房で過ごしており、夏は下着の上から直接部屋着を着て、これもまたアロマ加湿器と冷房で過ごしている。

アロマ加湿器は、中学受験の合格祝いに母親が買ってくれたものだ。バレエの舞台化粧で負担をかけていたから、きっとそれを労るためなのだろう。オシャレなインテリアショップで常に売ってあるアロマウォーターを用いて使うのがお気に入りだ。お風呂上がりのような、だけどもムスクを使っているから甘くて好きな香り。
最初名前だけ見た時、割とキツイのでは？と思ったけれど、全然そんなことなくて、自室に誰かを招く度に好評だ。ちなみに青春に飢えている親友の水春には、『イイオンナの匂いだ…！！これで彼氏が来たらもう更に惚れますよ間違いない。私がAの彼氏なら惚れ直しますもん。ううっっアオハル…っ青春……っっ！！！』と言われたのですが。

アロマ加湿器にそのアロマウォーターを補充してスイッチを押して、タブレットが置いてある勉強机の椅子に腰掛けようと向かえば、LINEの通知音が鳴り響いた。

黒尾鉄朗俺はいつでも電話できます
海信行俺も。
夜久衛輔俺もだ!