*25-2. ページ11
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『鉄君さすが。だけど鉄君のお姉さんの言う通り、メイクの上からだとベースが崩れそうで私も嫌でさ。なんだけど!これは顔に噴射してOKなタイプ。だからメイクしてる時の塗り直しはこれ!』
『いつもこまめに日焼け止めの塗り直ししてるなって思って見てましたけど、メイクしてるしてないで使い分けてるんですね……いや美意識高すぎません!?』
『紫外線は美容の大敵ですし、やっぱり肌白くいたいと思うからさ、私は。』
数日前に4人で遊びに行った時。2時間起きくらいに顔に噴射していたものと同じスプレーがそこにあっただけで、俺らは悔しさを募らせた。
「……チッ…!クソッ!!」
悔しそうに舌打ちをしてから歯を食いしばる黒尾を見て、釣られて俺も もっと気にかけていれば と自分をたまらず責める。するとそれを切り替えろと言わんばかりに、Aの脇に挟んでいた体温計が機械的な音を鳴らした。
「──────38度ジャスト…正直触った感じ、まだ熱が上がると思います。今から熱上がって、そこから熱が引いていく感じだと思っていてください。……ッ!靴下脱がせてなかった…!私のバカ、!前失礼します、」
そう言うと同時に俺ら3人の目の前を横切って、楓ちゃんはAの靴下に手をかけた。すぐ脱がすのかと思った直後、一瞬躊躇ったような素振りを見せて、そのアイドルみたいな愛らしい顔をどこか苦しそうに歪めてこちらを見上げた。
「……あんまり、よく見ないであげて下さい。」
靴下を脱がせる直前に楓ちゃんが俺らの目を一人一人見てから、意を決したようにその靴下を取り払った。
「「「……ッ!?!?」」」
正直なことを言うと、俺の家族は母親以外異性がいないし、その異性の素足を見るなんて機会滅多にないからドキドキしちまってた。ましてや高嶺の花のような存在のAの素足だぞ。こんな状況でそんなことを思っちまうの、良くねぇのに。仕方がないだろ。だって健全な男子高校生だぜ。仕方がないだろ。
だがその不純な期待を嘲笑うかのような現状が、そこには繰り広げられていた。
言われた通り決してよく見るつもりではなかったが、靴下で隠れていたAの足首から下の素足を見て思わず目を見張った。それは黒尾と海も同じだったようで、同じタイミングで3人ともつい顔を見合せてしまう。
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作者名:RiN | 作成日時:2024年3月18日 5時