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「ほう。ナミはこちらのダンスの心得もあったのか」


 マレウスはナミの手と腰に手を置き、踊っていた
 ナミはマレウスの胸に手をかざしている
「シェーンハイトに礼を言わなければ…」とマレウスは呟いた




「なあ、ナミよ。花の街はどうだった?」


 ゆったり踊りながら2人は会話をした




「ここへ来ていろんなことがあったな…救いの鐘にガーゴイルに逆さま祭りに、そして紅蓮の花、と…」


 ほっこりする思い出に戦慄する思い出
 マレウスは懐かしそうに目を細めた




「お前と一緒に来れてよかった。とっても楽しかった…」


 マレウスの優しげな表情にナミはほっこり
 けれどマレウスは
 急に表情を曇らせた




「すまなかった…」
 

 その謝罪には紅蓮の炎や、エメラルドの雷のことが混ざっている
 ナミはすぐに首をふった
 そんなナミの仕草にマレウスは笑う「ナミは優しいのだな」



 マレウスはナミの手から手を離すと
 ナミの腰を掴み、
 持ち上げた
 ナミのドレスが広がる




「僕を守ってくれたこと、忘れない。…ナミは最高の騎士だ。あの偉大な茨の谷の女王もきっとナミを褒めてくれるさ」


「…!」


 ナミはマレウスの言葉に大きく目を開く
 茨の谷の女王
 ナミが守るべきお方だった
 きっとそうだといいな、とナミは嬉しそうに目を細めた




「やっぱりナミちゃんはお姫様だ…すっごくすっごく綺麗だよ」


 その後ろでネージュは
 手をパチパチしながら
 マレウスと踊るナミを見惚れていた





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作者名:真灯 | 作成日時:2022年11月27日 10時

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