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16 【完結】 ページ16












 交流会が終わり、しばらく経ってーー
 強い嵐が花の街を襲っていた
 ロロは救いの鐘の元へ向かう
 鐘にシートをかけ、ガーゴイルを部屋の奥へ促す




「ん?なんだねこの鏡は…」


 鐘楼内部で、ロロはあるものを発見した
 その鏡は大きく、二体のガーゴイルに守られていた




「ん?これはあの女が移動手段に使っていた鏡じゃないか」


 ロロはナミがこれを使って鐘楼の最上階へ昇っていたのを思い出した
 ロロは鏡が濡れているようだったので、
 仕方なくそれをハンカチで拭った




「まったく、鏡まで泣き虫なのか…」


 ロロはそう呟く
 けれど、その背中は寂しそうだった
 連絡先を教えてもらい、少しのメールぐらいはするが、本人がそこにいなければ元気がどうかは分からなかった
 と、そこへ…「よっ!ロロ!」と陽気なガーゴイルがやってくる




「ガーゴイルか。何のようだ」


「…あ、それ、おいらとナミが残していったプレゼントじゃん」


 ガーゴイルはその鏡を見て、微笑んだ
 ロロは「プレゼント?」と顔をしかめる
 そして振り返って、その鏡を見つめた




「!? こ、これは…」


 その鏡にはある寮が映し出されていた
 そこはナミの寮ーー
 ミセスローズ寮
 ナミが談話室で紅茶を飲んでほっこりしていた




「行ってきなよ」


 ガーゴイルはにこっ,と笑った
 ロロは恐る恐る前に出る
 すると、鏡に吸い込まれた




「っ…!」


 眩しい光でロロは目を閉じる
 そして目を開けた時には
 驚いた顔でロロを見つめるナミがいた
 ここはナイトレイブンカレッジのナミの寮

 あの鏡はノーブルベルカレッジとここを繋ぐために置かれていた鏡だった




 “いらっしゃい”


 ロロに気づいたナミは
 そっと優しく微笑んだ









 ロロは瞳を揺らし、ナミに手を伸ばした


 そっと椅子に座っていた彼女を抱きしめる


 ナミが手に持っていたティーカップが床に落ち、割れた…




「ナミ…」


 



















end.

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作者名:真灯 | 作成日時:2022年11月27日 10時

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