番外編2「嘘」 ページ40
「ねえ、さっきの男誰？」
『え？普通に友達の山田くんだけど……』
「……ふーん」
唐突に声をかけられてビクッと反応する。
心なしか相川のいつも少し高めの声が低く感じた。
山田くんと話せば相川は意味ありげな顔で私をまじまじとみる。
「ウワキ？僕と言うとのがありながらウワキしたの？」
『はっ？……いや、浮気するわけないじゃん、』
「ウソだ。ものすごく仲良さげに話してたじゃん」
『……まあ、そだね……』
相川のジト目がチクチクささる。
ここだけの話。山田くんは少女漫画とかが好きで、馬鹿にされるから皆には秘密にしているらしい。
しかし、風の噂か何かで私もそういう系が好きということを聞き付け話しかけてきてくれた。
それで意気投合。好きな漫画やキャラもかぶりすぎ。語り合うことが楽しいと感じた。
……しかし、相川はそれを浮気だという。
ここで山田くんの秘密を暴露するなんて山田くんが可哀想だし、何とか誤魔化す。
てか浮気してねえよ。
『ま、とりあえず、この話は終わりということで……』
「ダメだよ勝手に終わらせちゃ。僕怒ってるんだよ」
『だ、だから浮気してないって……！』
「Aは僕が浮気してもどうも思わないの？」
……相川が浮気。
相川が他の女の子と笑ってる。
そんなの、嫌だけど……。
『……べ、別に』
そんなこと言うなんて恥ずかしい。
赤くなった頬を見られるのが恥ずかしくて目をそらす。
しかし、彼はその行動が更に気にくわなかったようで。
「……ふうん、じゃあ僕も女の子と遊んでくる」
『はっ！？な、なんでよ……！』
「だって僕が浮気してもどうも思わないんでしょ？」
『そ、そんなこと……一言も……！』
一言もいってないじゃないか。
そう告げようとしたが、相川によって遮られる。
「A嘘つきだし、いっつも喧嘩腰だし、素直になってくれないし、料理は下手だし、女子力ないし、浮気はするし……」
そして出たのは、完全に私の侮辱だった。
全部全部私の短所だ。
だからこいつも浮気すると？そういうこと？
「僕、Aのこと嫌いになっちゃったかもね」
ふっ、と乾いた笑みを浮かべる相川。
嫌い？私のこと？
そう思うだけで、ぶわっと涙が溢れてくる。
泣けばいいわけじゃないのは自分が一番よくわかってるのに。
「……なーんてね」
途端に腰に腕を巻き付けられ、引き寄せられる。そして、不意に二つの影が重なった。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2021年3月14日 1時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - リート@暫く浮上しません。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません……！！ありがとうございます！そういっていただけてとても嬉しく思います！はい！だらだらします！()コメントありがとうございます！ (2019年11月9日 21時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
リート@暫く浮上しません。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後まで二回も見るくらい、面白い作品でした。羨ましい。ゆっくり休んで疲れを癒してくださいね。改めまして、完結おめでとうございます。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 5e7567a452 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» こちらこそいつもみていただきありがとうございます！！このお話、結構ストーリー凝っていたのでそういっていただけると頑張った甲斐があります！はい！是非楽しみにしていてくださいね！頑張ります！ (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» こちらこそいつもありがとうございます！！あ、その心配はありませんよ！私、めちゃめちゃずぼらですので！！( ・`д・´)ご心配していただけて誠に嬉しく思います！ありがとうございます！！！！ (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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