三十路未婚の理由【ツイステ】 (ページ12)

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１２．ページ12

『＿＿＿ってなわけで、ヴィルくんにデート用の服を決めてほしいんだよね～』

花に水やりをしながら電話をするA。

電話の向こうでは、海よりも深い盛大な溜息が聞こえてくる。

《デート服くらい自分で決めなさいよ。お姉ちゃんの服のセンス、別にそこまで悪いわけじゃないでしょ？》

『お願いよヴィル。今度一緒に買い物付き合ってあげるから～』

電話の向こうでまた溜息が聞こえてくる。

Aは必死に電話越しでヴィルの機嫌をとりながらお願いする。

《はぁ……わかったわよ。アタシもちょっと興味湧いてきたわ。お姉ちゃんがそこまで必死になる男に。

任せて。お姉ちゃんをこの世で一番の女にしてあげるわ》

『ヴィル～～！さすがウチの子！その優しい性格はお父さん譲りね～！』

《やめて。そうとなったら週末、早速出かけるからスケジュールあけておいてよね。

このアタシの貴重な時間を使ってあげるんだから、感謝しなさい》

『感謝してますよ～。

それじゃあ楽しみにしてるからね。バイバイ』

電話を切って機嫌良く鼻歌を歌いながら草花の手入れをし始めるA。

『～～～♪』

「おい、尻尾踏んでんだよさっきから」

『そこで寝てるからでしょレオナくん。

でもまぁ、今は気分がいいから先生に告げ口しないであげる～』

「やっぱさっきのヤツ、アンタが呼びつけたんか」

レオナは寝転びながらAをジッと見るが、Aはそんなことも気にならないほど機嫌が良かった。