【銀魂】私に、触れないで

第8話　名前も知らない人 ページ9

・









『はい、大丈夫です……』








小さく呟く。

普通に言ったつもりなのに声が震えていた。




きっとこの人の手が触れているせい。


この男が力を込めれば、

たちまちこの喉は息をすることが出来ないだろう。




助けてくれたはずなのにこの男が怖い。







「そう」






と男は呟くとゆっくり手を離した。









「そんな怯えないでヨ」









整った眉毛が下がる。






『え、』


そう感じた時には男はすでに人混みの中に消えていた。









最後の表情が、頭から離れなかった。









・

第9話　お祭り→←第7話　鮮やかな青

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す