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【Aside】
“現時刻午前1時。場所グランドビル最上階。”
私は小さな懐中電灯を口で噛み、盗まれたお宝を探していた。
そこでふと遠くに金庫を見つけ、静かに近寄る。
私があそこを出てから早5年。
時は流れて切った髪ももとの長さ伸びきった。
あの子達はそれぞれ何処かで幸せに暮らしてるかな。
月日が経つのはやはり早いものだ。
私が忘れる時間も与えられずにもう5年が経ってしまったのだから。
いや、忘れたいなんてただの逃避でしかない。
私はいつまで経っても逃げてばかりの臆病者だ。
彼らをどれだけ心配したふりをしようが、結局これも全て自分のため。
彼らと向き合おうともしなかった。
『やはりあの時、教会を出て正解だったな。』
それが正しい選択なのかも分からない。
ただ自分に正解だと言い聞かせて自分を肯定しているだけ。
こんなの無意味なことも分かってる。
何も自分のためにならないことも分かってる。
それでも私は逃げたかった。
現実から目を背けたかった。
あの地獄みたいな日々…。
そう。私は決して人を殺す仕事が嫌だったわけではない。
いや…嫌だと言ったら嘘になってしまうけど…。
好んではやらないが、お金のためなら何でもやっていた。
それが人殺しでも盗みでも上の者に従うしかなかった。
それしか私の存在意義がなかった。
私が感じていた地獄はこのことじゃない。
心が血で汚れたままあの清らかな教会に帰るのが嫌だったんだ。
まるで私の心を浄化するがごとく明るい笑顔を向ける彼ら。
その笑顔は私を絶望に突き落とした。
こんな汚れ仕事をしていなかったのなら嬉しく受け止められたのに。
そんな権利私にはない。
私は転生した身。
この世界の常識には抗えないのだ。
何故って？
決まってるだろう。
『私がこの世界線の住人じゃないからだよ。』
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きなこもち(プロフ) - ひぃさん» ありがとうございます！更新頑張りますヽ(´▽｀)/ (2021年5月29日 6時) (
レス) id: 9b397e807b (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 出てくるメンバーが可愛いくて、でも真面目？な雰囲気の話もあって、めっちゃ面白いです…！続きの更新が楽しみです！ (2021年5月28日 18時) (レス) id: 21a845e247 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこもち | 作成日時：2021年5月4日 10時
