五章 ページ5
特大パフェは却下され、私は引きずられながら探偵社にやって来た。
当然の事ながら、誰も私に気づかない。
「やァ乱歩さん、おかえり」
蝶の髪飾りがよく似合う、医療系の本を読んでいた女性に声をかけられると、乱歩さんは「ただいまぁ!」と返事をしていた。
後から知った事だけれど、あの人は与謝野晶子さんと云うらしい。
そーっと覗いて見ると、事務員の人が右往左往していた。
何か事件でもあったんだろうか。
「唐変木‼」
怒鳴り声が聞こえて、心臓が跳ね上がる。長髪の男の人が、包帯ぐるぐるのミイラ男を引きずっていた。
「お前と云う奴は!どれだけ事務員を右往左往させれば気がすむのだ!この、包帯無駄遣い装置‼」
乱歩さんは関係ないとばかりにラムネ飲んでるし、与謝野さんは医療系の本ー『楽しい解剖方法』?あれ、本の題名がちらっと見えた気がしたけど、気のせいかな?まさか解剖の本なんてある訳ないよね?
頭が混乱し始めた私に、乱歩さんが手招きしてきた。長髪の男の人をすり抜けて、乱歩さんに近づく。
「君、本当に誰にも見えてないの?まあそうだろうねぇ、見えてたら国木田あたりが『何だその餓鬼は!』って怒鳴り飛ばしそうだもんね。じゃあ僕これから仕事だから、ついてきてもいいよ」
お言葉に甘えさせていただきます。
ここにいたって、誰も話しかけてくれないし。
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茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時