検索窓
今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:60,635 hit

二十七章 ページ27

「えーっと、私が事故に遭ったのは、確か私の家の近くの交差点で………」

記憶を巡らせながら、乱歩さんに説明する。
「車に轢かれてからすぐ、魂だけ抜けたから…どこの病院に搬送されたのかは判らないです」
「じゃあ、君の家は?どこ?」
「ええと………」

私の家ー
お母様と、産まれてすぐ亡くなってしまったお父様と暮らした家………。
その場所くらい、判らないと………ちょっと親不孝すぎるよね?
それは判るんだけど。
「わ、判らないです」

家の場所も判らなくなってしまっていた。
けれども乱歩さんは頷く。
「なら、政府に問い合わせればいいよね。早速行こう」
「あ、駄目です」
善は急げと歩き出した乱歩さんを、慌てて引き止める。
きょとんとした乱歩さんは、じぃっと私を見つめてきた。
「そ、その…………私の家、ここにはないんです。県外でして」

「県外ぃ⁉」
うう、県外じゃ、流石の乱歩さんも判んないよね………。
もう泣きたい。

「否、それむしろ好都合だよ!」
乱歩さんはなぜか、県外だと聞く前よりも元気になっている。
「?」と首を傾げると、乱歩さんは人差し指を天に向かって突き上げた。
「君の今の情報ーここじゃ当てはまらなかったんだよね。だって、それだけの異能者がいるなら、この街で噂にならない訳がないもの。って云うか今気づいたんだけど、新聞見れば万事解決じゃん!事故現場の県が書かれてるはずだからね、全くなんで気づかなかったんだろう」

さっきの新聞を取り出すと、乱歩さんはザッと目を通す。
そして、一言。

「事故現場はー君が死んだのは、京都だ!」

………………………………え?
私、京都に住んでたっけ?
何か違う気がするんだけど………。

二十八章→←二十六章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉里 - ありがとうございます!続編もじゃんじゃん更新しますので……よろしくお願いします! (2019年6月4日 19時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
ク レハ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編のほうも応援させていただきます!! (2019年6月4日 18時) (レス) id: ddd19fa939 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - ええ!勿論です! (2019年6月3日 18時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
茉里 - 最後まで読んでくださってありがとうございました!新作書いたらまたよろしくお願いします! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 0903b0c425 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2019年6月3日 17時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:茉里 | 作成日時:2019年5月27日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。